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「それは随分と面白いことになりましたね、A」
『いやもう笑い事じゃないんですよしのぶさん!!!』
蝶屋敷にて。
しのぶさんに事の顛末を話せば、堪えきれないと言うように手で顔を多いながら笑っている。
くふふ、って笑い声聞こえてるの!!
『私思いっきり嘘ついちゃいましたよ……どうしましょう……私これからどうしたら………』
「そうですねぇ、冨岡さんは不器用な方ですから………」
困ったものですねぇ、と形のいい唇に細い指を当てて呟くしのぶさん。
義勇さんはいつかの私の発言を誤解して取ったんだということは分かっている。
でもそれがいつの発言だったのかは全く検討がつかない!
でも絶対に好きとかそういう発言はしてないんだよね……なにを誤解したんだろう………。
「冨岡さんは、きっと恋を知らないんですよ」
『え?』
「ここに居る人達はみんな、そういう幸せを知る前に色々奪われてしまった人達ですから」
あぁ、そっか。
そうだよね。
しのぶさんの言葉に俯く。
「だから、冨岡さんに恋を教えてあげられるのはAだけなんですよ」
『………………はい』
「ふふ、貴方が恋を知るチャンスでもあります。相手が冨岡さんなのは可哀想ですが」
可哀想って…………。
しのぶさんも義勇さんのこと嫌いだったの?
『それにしても、なんで私だったんでしょうか……』
「あら、Aを好きになるなんて、冨岡さんに見る目があったということでしょう」
『いやいや!あんなに見目が良くて強くて優しくて………私みたいなちんちくりんを好きになるなんて信じられません!』
そう言えば、しのぶさんは驚いたように元々大きい目をもっと見開く。
義勇さんは確かに言葉足らずで不器用で、難儀な人だけれど。
見目も良くて柱になるほど強いし、お金もある。
そして彼は繊細で酷く優しい人。
彼が言葉足らずになってしまうのはきっと、いつでも相手のことを考えて言葉を選んでるからなのだろう。
そんな素敵な人の恋人が私だなんて。
「あらあら、ふふふ、本当に面白いですよ」
『もーー、だから笑えないんですってばー!!』
「貴方もここまで言って気づかないなんて、鈍感すぎです。冨岡さんに同情します」
『えぇ!酷い!どういう事です!?』
「そのまんまの意味ですよ。早く気づいてあげてくださいね、A」
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きよりん(プロフ) - わらび餅。さん» 飲み会(笑)いえいえ、指摘なんて失礼しました。 (2020年7月8日 10時) (レス) id: 599608a929 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - 義勇大好きな女さん» わ〜!そんな風に言っていただけて嬉しいです!お読みいただきありがとうございます〜!! (2020年7月8日 6時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
義勇大好きな女 - 話終わったら、目から水が、、、!? (2020年7月7日 22時) (レス) id: 8ebef6a95a (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - きよりんさん» そうです、軟骨になってますね……笑ご指摘ありがとうございます、直しておきます……軟骨と包帯って今から飲み会でもやんのか?って感じですねすいません……笑 (2020年7月7日 5時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
きよりん(プロフ) - 31話と32話に軟骨とありますが軟膏の事ですか? (2020年7月6日 23時) (レス) id: 599608a929 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わらび餅。 | 作成日時:2020年5月22日 11時