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義勇side
あれ以来、俺と日生は一緒に眠るようになった。
元々日生は体温が高かった。
冷え性の俺は、日生の隣で眠ると彼女体温でいつもよりもぐっすりと眠れるようになってしまったのだ。
流石に如何なものかと思い直したものの、日生の何も知らないような無垢な笑顔を見ればそんなことを考えている俺が阿呆みたいで。
結局1つの布団で寝ることを承諾してしまって今に至る。
もう彼女がこの屋敷に来てから1月半が経過していた。
「よぉよぉ冨岡、随分ご機嫌じゃねぇの」
「宇髄か」
任務に向かう途中で偶然出くわした宇髄は何やらニヤニヤと俺の肩に手を回した。
「あれか、隠の女の子だろ、お前がご機嫌の理由はよ」
「何の話だ」
「はぁ?一緒に住んでんだろうが。」
一緒に住んでいる。
日生のことか。
確かに一緒には住んでるが、そもそも彼女が俺の屋敷に来た理由は未だに謎である。
「日生が何故俺の屋敷に居るのかは知らない」
「いや知らないってお前…………」
宇髄は言いかけた言葉を飲み込んで、またニヤニヤとした表情で俺の顔を覗き込んでくる。
「お前それ、惚れられてんだろ、ド派手に。」
「は?」
「絶対そうだね。女が屋敷に来る理由なんてそれしかねぇよ」
良かったじゃねぇか、お前にも春が来てよ。
そう言う宇髄の言葉が、俺の頭を支配する。
そうなのだろうか。
俺は色恋沙汰に関しては全くもって疎い。
嫁が3人いる宇髄の方がよっぽど女心はわかっているだろう。
確かに、宇髄が言った通りなら合点がいく。
彼女がいきなり俺の屋敷を訪ねてきたのも、毎日料理を振舞ってくれるのも、一緒に眠るのも。
俺が彼女の気持ちに気づかなかっただけで、彼女はずっと俺を慕っていてくれたのか。
「宇髄、俺はもう行く。理由がわかってよかった、感謝する」
おー、と手をひらひら振る宇髄を置いて俺は任務地までの道のりを走った。
「こりゃ、派手に面白いことになりそうだな」
宇髄がそんなことを呟いているとも知らずに。
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きよりん(プロフ) - わらび餅。さん» 飲み会(笑)いえいえ、指摘なんて失礼しました。 (2020年7月8日 10時) (レス) id: 599608a929 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - 義勇大好きな女さん» わ〜!そんな風に言っていただけて嬉しいです!お読みいただきありがとうございます〜!! (2020年7月8日 6時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
義勇大好きな女 - 話終わったら、目から水が、、、!? (2020年7月7日 22時) (レス) id: 8ebef6a95a (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - きよりんさん» そうです、軟骨になってますね……笑ご指摘ありがとうございます、直しておきます……軟骨と包帯って今から飲み会でもやんのか?って感じですねすいません……笑 (2020年7月7日 5時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
きよりん(プロフ) - 31話と32話に軟骨とありますが軟膏の事ですか? (2020年7月6日 23時) (レス) id: 599608a929 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わらび餅。 | 作成日時:2020年5月22日 11時