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☆君はヒーロー に【Masai】 ページ6

その時。


横目に彼女が崩れ落ちるのが見えて、

咄嗟にそれを支える。


「大丈夫ですか!?」


服越しに、じわじわと伝わってくる高熱。

苦しそうに、肩で息をしていて、

車内の視線が、俺と彼女に。


けど、そんなことなんて、どうでもいい!

今は!!


「シルク!早く!非常ボタン押せ!!」


「分かった!!」


車内が、一気に緊張する。


「聞こえますか?聞こえますか?」


頬を触ってみるけれど、じっとりと汗。

片手で、カバンの中からハンカチを取り出して、当ててやる。


すると、薄らと瞼が開いて、こちらを見た。


「大丈夫、俺が居ます。大丈夫。とりあえず、熱があるみたいだから、病院に行った方がいい。」


早口で言うと、

彼女は乾いた声で、すみません。と言った。


「あぁ、えっと、女性が倒れました。

多分、20代ぐらいで、はい、スーツを着ています。担架、いります。

はい。わかりました。お願いします。」

シルクが、車掌さんに事態を伝えてくれている声が、聞こえる。

俺の腕の中の彼女は、また瞼を閉じていて、その長い睫毛を露にしていた。


「次の駅で、止まるって。」


「分かった。」


シルクも、真剣な顔。


「とりあえず、病院まで。付き添う。」


いいだろ?と尋ねると、

もちろん。と頷いた。



そうしていたら、

電車が段々と減速して、

次の駅の名前が車掌さんの声で、繰り返される。


また、彼女を見た。

やっぱり、苦しそうだ。


「大丈夫。俺が、居る。」


呟いて、

電車が止まったのを確認してから、

空間を開けてもらって、彼女をお姫様のように持ち上げる。


俺の腕でも、大丈夫なぐらい、軽い。


ちゃんと、食べてるのだろうか。


いや、そんなこと、俺がどうとか、言えたことじゃないし、何か出来るという訳でもないんだけど。


なんだか、放っておけない。

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設定タグ:フィッシャーズ , Fischer's , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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杏莉栖(プロフ) - シルクとモトキのリクエストをした「あみ」です!ありがとうございます!!とてもきゅんきゅんしました!!イケメンすぎてやばいです…( '-' ) (2018年5月17日 22時) (レス) id: d5291e4eb0 (このIDを非表示/違反報告)
wakame(プロフ) - Mionaさん» コメントありがとうございます! 楽しんでいただけたみたいでよかったです(ノ≧∀≦)ノ!! (2018年4月29日 2時) (レス) id: 98da65900a (このIDを非表示/違反報告)
Miona(プロフ) - もしかして僕かな?!リクエスト書いてくださり有難うございました!!とても良かったです(*´˘`*) (2018年4月20日 17時) (レス) id: db9cd35d9a (このIDを非表示/違反報告)
wakame(プロフ) - あにゃさん» 初コメ、ありがとうございます!! 最高でしたか!? そう言ってもらえてとても嬉しいです!! シルクをイケメンに描くの好きなんです笑 これからもどうぞ、読んでやって下さい!! (2018年4月19日 23時) (レス) id: 98da65900a (このIDを非表示/違反報告)
あにゃ(プロフ) - 初コメです!!もう…最高です…(涎)←シルクイケメン過ぎて堪りませーん\(^^)/ (2018年4月19日 9時) (レス) id: ef7b29524b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:wakame | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年1月27日 10時

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