彼らとの毎日５日目 【短編集】【Fischer's】

☆チョコレート さん【Silk】 ページ20

｢ほら、口開けて。｣


｢あ。｣


ぽんと放り込まれたミルクチョコレート。

さっき手についたビターチョコレートを舐めたからか、より甘く感じる。



いいや、もしかしたら。

彼の、手から貰ったからかも。なんて。



口の中で、滑らかに溶けるのを感じながら、

ぱっと彼の方を見た。


｢これも美味し…｣



美味しい、と言い終わる前に。


チョコレートもまだ、溶け切る前に。



シルクの顔が一気に近付いて、口を塞がれる。


噛み付くように、貪るように、

何度も角度を変えてキスされて。

それから、隙間から難なく彼の舌が侵入してきて、チョコと一緒に、私の舌を絡めとる。


1度酸素を取り入れようと開いた私の口を、

また悉く塞いで。

そしたら、深く深く、入り込んだ。


苦しい。くらくらする。

のに。


口内の甘さだけが、妙にはっきりと分かって。

背中のゾクゾクが止まらない。


力が入らなくなっていくなかで、

いつの間にか、背中と頭が、しっかりと支えられていることに気がついて。


あぁ、もう。ダメ。


思いかけたところで、唇が離れた。


今日は、少し白く濁った糸が、

濡れそぼった彼の唇に繋がっていて。

それが、恥ずかしい。


私達は、何をしてたんだっけ。


二人分の息遣いが、部屋の中に響く。


揺れる視界で見上げた彼は、ニヤッと笑って、


｢やべぇな。これ。止まんなくなる。｣


言った。


そしたら、その瞳が、

なぁ。いいだろ？って聞いてくる。


私は、肩で呼吸をしながら、小さく頷いた。


✽.｡.:*・ﾟ ✽.｡.:*・ﾟ ✽.｡.:*・ﾟ ✽.｡.:*・ﾟ ✽.｡.:*・ﾟ
いかがだったでしょうか。

楽しんでいただけたら幸いです。

HappyValentine!!!

☆無理するなよ 1【Dama】→←☆チョコレート に【Silk】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す