はい、私が死体処理班の者です 2【名探偵コナン】

http://無色と七色 ページ10

コナンside



ブレーカーが落とされ視界を奪われる


想定内の出来事に冷静を保ちつつ明かりがつくのを待つ


再び光が戻るまでに要した時間は約5秒


キッドが犯行するのに充分過ぎる時間だ


その証拠にゲージ内にあった筈のダイヤは丸々消え去っている


「キッドォ！！今日こそはァ！！！捕まえてやるからなァ！！！！」


人一倍騒ぐ中森警部を他所にただ一つだけ想定外だったのは



＿＿Aさんの姿が見当たらない



まさかキッドの野郎イヤリングのみならずAさんまで連れ去ったのかよ




＿＿月光にあてられた金鋼石が七色に輝く時、パンドラが開かれる日は近い




今宵は美しい満月


月光

無色のダイヤモンド

七色のアンモナイト

今まさに開かれようとするパンドラ



「屋上か」



月光の元で二つの宝石が出逢う時パンドラが開かれるその前に




脇に抱えていたスケボーに乗り、屋上へと走り滑らせた





キッドside



クレーターの窪みが芸術的な月を前に、夜風にシルクのマントをはためかせる



横抱きにした彼女に目をやると覚める様子の無い閉じた瞳




パンドラの箱はあまりに有名なギリシャ神話


「未来予知」が飛び出す事無く箱が閉じてしまったが為に、人類は知りもしない結末に無駄な努力をしなければならない事



「希望」が飛び出してしまったが為に、人類は希望を前に諦める手段を失われもがき苦しみながら生きなければならない事




静かなその姿にクスリと笑いかけた



「貴女にはパンドラになってもらいますよ」



4C揃ったダイヤモンドと、彼女の耳元で虹色を放つアンモライトを重ね月光に照らし合わせる





...が、


「＿＿おいおいおい、嘘だろ」


二つの宝石に交互に目をやり絶望した





「これってまさか」


「ああ、そのまさかだぜ。キッド」




スケボーを抱え余裕な笑みでこちらに歩み寄る少年に負けじと微笑みかける



やってくれたなめーたんてー





「一体どういう了見だ？



＿＿どっちもニセモンじゃねーか」



「当たり。流石天下の大怪盗は目ざといな」

「嫌味かよ」


何が面白いのかクスクス笑うたんてーに溜め息を吐く



最初から遊ばれてただけか、と肩を分かりやすく落とした瞬間




『おい、いつまでこの体制なんだ。早く下ろせよ鳩人間』


腕の中から性悪なお姫様がお目覚めになられた




＿＿顔と口調がミスマッチ。残念なお姫様だ

http://ご対面→←http://犯行予告日

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す