はい、私が死体処理班の者です 2【名探偵コナン】

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「...あの少年探偵団の三人も、元気にしてますよ」


意味も無く告げた訳では無いだろう


その言葉が重くのしかかる



「...沖矢昴はその身を海外へ置き、安室透は忽然と姿を消した。灰原哀は宮野志保として生きていく事を決め＿＿」

『＿＿江戸川コナンは死に、』

「そして貴方は捕まった」



火をつけた線香は灰になっている頃だろう



「周りの大人はあの子達に悪い事しましたね」

『...大人が子供を悲しませるのは＿＿悪い事だよなぁ。



でもガキ、ましてや小学一年の記憶なんて、いつかは消えてしまうものだ』




しみじみと思う。一気に五人も消えたのだから





『...なぁ探偵。私な、



＿＿今日この町を出るんだ』



探偵の目がさらに見開かれる

けれど何処か分かっていた反応だ



『手続きはもう済ませてある。それに、



＿＿もう誰かの為だけに生きるのは辞めた』



あの眼鏡のガキがそう言ってたから。


ふと溢した台詞は風に乗って何処へ行くのだろう




『本当は江戸川コナンの事。言う程嫌いじゃなかった、なんて。生きてる内に言えば良かったか』

「...きっと届いてると思いますよ」

『＿＿そうか』



取り付けのない言葉に、それだけで救われる




「＿＿Aさん。いつか俺が死んだら...死後処理頼んでもいいですか」




緩く笑って目を細めるガキに、つられて笑い返す



『お前からの依頼は受けるつもりは無い』

「...それって、俺に死ぬなって事ですか」



ガキの問いに目をパチクリさせて自分でも何処か嬉しそうに笑っていた



『バーカ。自惚れんなっての』



ガキにしてた様に


探偵の髪の毛をハゲる勢いでぐしゃぐしゃに掻き乱す




＿＿私達人間は常に墓へと向かっている


違うのは、平等でないのは到達地点までの距離




償いが全部終えたら...またこの墓に出向かせてもらおう



だからそれまでは





「お元気で」


『＿＿お元気で』




すれ違う、肩


互いの行き先は同じではない



私が誰かの人生を歩めないように


他の誰かも私の人生を歩む事は出来ない






だからこそ





お前らの居ない町で



この不甲斐ない世界を



掃除しながら







＿＿今日も明日も、生きていくんだろう






『じゃあな』



探偵の後ろ姿に、江戸川コナンの墓石に




小さく告げた




ありがとう、さよなら。いつかまた、会える事を願って






fin

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