昔の話 ページ3
私と沙和は幼馴染だった。
とても、仲が良かった。
親すら知らないようなことも沙和は知っていた。
そして、私たちには秘密があった
それは
「どうしようもなく人を殺 したい」
ってこと
同じことに苦しんできたけど
だからこそ
一緒に励まし合ってきた
それなのに‥‥
あの日——————————
————————————————————————————————数年前
沙和から呼ばれ海にいた。
海、と云っても崖みたいな感じになっていて
一歩踏み外せば無事では済まない事だろう。
周りには誰もいない。
そんな場所に呼び出して、
沙和は何をしたいんだろう。
沙「ねえ、A‥‥‥」
『どうかしt「人を、殺 しちゃったの」え‥‥』
沙「女の子を、殺 しちゃったの」
『沙和‥‥』
沙「もう、これ以上、人を殺 したくないの‥‥」
『沙和……?』
沙「でも、殺 しちゃったときの感覚が忘れられないの!
もう一度殺 したくなっちゃうの!」
『沙和‥‥!』
沙和は泣いていた。
綺麗な顔を悲しみと何かに耐える苦しみに歪ませながら。
そして、ゆっくりと崖のほうに歩いて行く
『沙和! だめ! 行かないで!』
沙「ごめんね、A。もう、限界なの‥‥」
『沙和!』
私は駆け出していた。
必死に手を伸ばして、傾く沙和の手を掴もうとする。
——————————私の手は、届かなかった。
沙「A。——————————。」
『っ! 沙和!』
空を掴んだ手はだらりと落ちていく。
今の私には絶望という言葉が似合うのだろう。
私の、光が消えた。
私の唯一の理解者を失った日だった。
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名:七海 彼方 | 作成日時:2019年9月16日 22時