White berry**15

上着 ページ8

如月 side





どうしよう。
勢いで出てきたものの何を話したらいいのか、
何を話すべきなのか分からない。



ただ、私は亮ちゃんと居たかった。


振られているのに自分の図々しさには
びっくりするものだ。





ﾌｧｻｯ





如月(えっ)



錦戸(はよ部屋戻りや、風邪引くで)



如月(あ、ありがと…う)






何持たずに大倉に借りたスエット1枚で出てきた私の
体温に暖かいものが掛かった。








錦戸(ん。じゃあ、俺は帰るわ)



如月(これ…)



錦戸(ん？寒いやろ。風邪でもひいてみ？
大倉心配するやろ笑)







そう言って亮ちゃんは自分の上着を私にそっと優しく掛けてハニ噛んでいた。







如月(……ちゃん)ﾎﾞｿ



錦戸(ん？)







そんなのずるいよ。
また好きになっちゃうじゃん。








諦めたいのに…
いつも追いかけてしまうのは亮ちゃんなの。








こんなことされたら、私





諦めきれないよ









如月(あのね！りょu…( ( ( りょお？







亮ちゃんを呼び止めようとした瞬間、
知らない声が私の声と重なって聞こえた。




すると、亮ちゃんの背後から
スタイルのいいミニのレザースカートを履いた女性がこちらへ歩いてきた。









女(やっぱり亮だぁ！心配してここまで来ちゃった！)



錦戸(ちょ、車で待ってて言ったやん)



女(いいじゃん)ｷﾞｭｯ



錦戸(もう近いって…)









その女性は亮ちゃんの腕にしがみつくと
私を見て…








女(あっ、こんばんは^^
あけみです^^)



如月(こんばんは…？)



錦戸(ごめん、これ俺の連れ。じゃあ帰るわ)



如月(あっ…うん。)











亮ちゃんはそのまま女性と2人で夜の街へ消えていってしまった。

複雑なキモチ→←なんで？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す