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蓮side
・
みんながいなくなったのを確認して、
そっと腰を下ろした。
蓮「ラウ、ただいま。みんなリビングに行っていなくなったよ。」
ドアに向かって静かに話しかける。
蓮「あのね、この前報告しようと思ってたんだけど・・・。」
蓮「俺、主演の作品決まったんだよ。」
蓮「舞台の主演だよ。すごいでしょ？ラウがさ、楽しみに待ってくれていたおかげだよ。」
いつも一番隣で、応援してくれたラウール。
“蓮くんすごいね”
“頑張ってね”
言葉は多くないけれど、
ずっと応援してくれていたんだと思う。
それが俺の励みにもなっていた。
蓮「いつもさ、俺ばっかり、話して・・・、俺馬鹿だから、ラウのこと分かってたのに助けてあげられなくて。」
ツーっと瞳から溢れる涙。
蓮「この前、俺に話そうとしてくれてたんじゃない？」
――――――――――――
蓮「どうした？」
ラウ「ぁのさ・・・・・。」
蓮「なんかあった？」
ラウ「あ・・の・・・。」
――――――――――――
万引きの前だから、絶対何か言おうとしていたはず。
なのに・・・
蓮「俺はラウの味方になりたいのに・・・こんな兄ちゃんでごめんね。」
ごめんね。
一番年の近いお兄ちゃんなのに。
気が付けばポロポロととめどなく溢れる涙。
その時、
ガチャっと鍵が開く音がした。
・
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作者名：ゆり
| 作成日時：2022年1月19日 21時
