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辰哉side


息が詰まる。


「虐待」という言葉に反応し、リビングの方ではっと息をのむ音が聞こえた。


これはただ事じゃない。


リビングにいる全員がこちらに注目し、耳を傾ける。



警察「そうなんです。詳しいことはまだ捜査中で何とも言えませんが。お母様と連絡が取れない状況で・・・。とりあえず、お名前確認できるものを持って、中央総合病院まで来てもらえますか?」


辰哉「・・・わかりました。すぐに向かいます。」








受話器を置く。

放心状態だった。
気づいたらみんな真後ろにいた。


照「なにどういうこと?虐待ってなによ。」

辰哉「いやわっかんねーけど。ラウがさ、虐待を受けてたっぽいんだって。とりあえず、救急搬送したから、中央総合病院まで来てほしいって。」






にしても…


翔太「まじかよ。」

涼太「あの母さんが?」

蓮「・・・・・・・」

全員が驚きの表情。


確かに破天荒な母だったけど…


まさかね・・・

辰哉「まあ久しぶりにラウに会って、話し聞いてくるよ。もしかしたら初めての警察に怖がってなんも話せないのかもしれないし。」


照「俺も行く。あそこの病院なら近いけど車、必要だろ?」

辰哉「ありがと。とりあえず行ってくるわ。」


この時はまだ、事の重大さに気づいていなかった。


ラウールがこんなにも傷ついているなんて、思ってもみなかったんだ。

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作者名:ゆり | 作成日時:2020年12月18日 23時

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