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辰哉side
・
・
ラウ「っ・・・・・」
辰哉「大丈夫だよ・・・。ラウに痛いことする人もういないよ。」
震えるのがだんだんと収まる。
少しでも刺激を与えると、
また、震えだしてしまいそうで、
しばらくの間、
背中をトントンと優しくたたきながら、呼吸を落ち着かせる。
・
ラウ「・・・・・・。」
眠いのかトロンとした目を合わせ、微笑みかける。
辰哉「大丈夫、大丈夫。ちゃんといるからね。」
その時
・
ラウ「・・・た・・っ・・・にぃ」
・
辰哉「・・・・!!!」
・
今・・・
名前呼んでくれたよね・・・・
ラウールと顔を合わせるが、
既にラウールの目は閉じられていて、
だらんと体重を俺に預ける。
ラウールが・・・
辰にいって言った。
すごく小さな声だったけど・・・
それだけで嬉しくて・・・
・
少しでも俺を味方だと思ってくれているのかな?
とにかく、
嬉しかった。
脱力したラウールをゆっくりと布団に戻し、
頭を撫でてやる。
少しずつでいいから、
慣れていこう。
いつか兄弟みんなの名前を呼んでほしいな。
そんな日が訪れますように・・・
・
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作者名:ゆり | 作成日時:2020年12月18日 23時