血の通わない人形 (ページ34)

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辰哉side

次の日

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昨日と変わらず横になっているが、目をぱっちりと開けている。

それだけで嬉しくなった。

今日は、いつもより訪問人数多め。

仕事のない５人で参戦。

みんな一目ラウールに会いたかった。

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病室に入る。

康二と蓮はラウールの姿を見ただけで号泣だった。

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翔太「ラウ、目覚めて良かったね。」

ラウ「・・・・・・。」

俺らが近づくと、

ぼーっとただ一点を見つめる

大介「ラウ？大にいだよ？久しぶり。」

昨日と変わらず。

しゃべらない。

目線が合わない。

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辰哉「ラウ？声出せる？」

ラウ「・・・・・・。」

蓮「ラウ？蓮にいだよ？」

康二「ラウ？わかるか？」

反応がない。

ラウ「・・・・・・。」

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でも・・・

だんだんと血の気が引いて、青ざめていく。

なんとなく、呼吸も乱れてきた。

直ちにナースコールで看護師さんを呼ぶ。

なんだかかわいそうになってしまい、一旦俺らも退出する。

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行く前のテンションから一転、

気分がどんよりとしてしまった。

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でもこれがラウールが抱えてきたものということならば・・・。

俺らはかなり甘く見ていたのかもしれない。

目が覚めたら、もう大丈夫だと思い込んでいた。

昨日、亮平が何となく曇った顔をしていた理由が分かった気がした。

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