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辰哉side
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しばらくして、そろそろ・・・
と医者から声をかけられる。
外に出ると、さっきの警察が声をかけてきた。
警察「少しお伺いしてもよろしいでしょうか?」
全くそんな気になれなかったけど・・・
とりあえず、頷いた。
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病院の会議室のような場所に通されて、椅子に座る。
警察と話すことにも緊張していたが・・・
なにより、ラウールのあんな姿を見てしまい、かなり動揺していた。
警察「えっと、ですね。まず、ラウール君の生い立ちといいますか。今まで一緒に過ごされていた経緯をお話しいただけますか?ご兄弟は・・・?」
辰哉「えっと、僕が長男で、横にいる照が次男。あと、下にラウールも含めて7人います。」
照「7年前くらいだったかな。両親が突然離婚したんです。ラウールが小学校1年生・・・だったと思います。父と母の仲は・・・決して良いとは言えませんでした。理由という理由は聞いてません。ただ、一緒に暮らせないからって・・・。そこからラウールと母を除いた生活が始まりました。」
辰哉「そこから先はお電話でお伝えした通りです。足取りというか、どこにいるかもまったく分かりませんでした。一応、3年前に父さんの葬式のことで連絡を取ろうとしても、音信不通で・・・。繋がりませんでした。」
警察「覚えている範囲で良いのですが、ラウール君は、どんなお子さんでしたか?」
照「かわいくて、いい子でしたよ。末っ子だし、一番近い兄弟でもかなり年が離れてるんで。やんちゃって感じではないけど、天真爛漫で、人懐っこい子でした。」
警察「なぜ・・・お母様はラウール君だけを引き取られたんですか?」
照「自分から行きたいって言ったんです。まぁ、一番ラウールが懐いてたっていうのもあるのかな・・・?」
辰哉「うーん・・・。」
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作者名:ゆり | 作成日時:2020年12月18日 23時