血の通わない人形 (ページ1)

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―１★ ページ1

怖かった・・・

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恐かった・・・

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こわかった・・・

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怒号におびえて縮こまる体。

ごめんなさい・・・。

ごめんなさい・・・。

ごめんなさいっ・・・。

とにかく謝る。

空気になる。

しゃべらない。

絶対に歯向かわない。

機嫌が収まるのをただ待つ。

僕がこの数年で学んだこと。

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もうすぐ夜が明ける。

明け方のベランダはとにかく凍えるように寒い。

窓の外から部屋を見る。

誰もいないけど、

今日は開けてくれるかな…。

寒さをしのぐため体育座りをして顔を埋める。

どうして・・・

どうしてこうなってしまったんだろう。

あの時、

あの選択が間違っていたのかな？

昔のことを思い出すと悲しくなるから。

今はもう思い出さないようにしていたけど。

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窓ガラスに映る痣だらけの顔。

頬に涙が伝う僕がガラスに映し出されるのを見ると。

僕にもまだ感情があるんだなって思う。

もう疲れたな。

でも全部僕が悪いから。

これ以上何も望まない。

ただただ、怒りが収まりますように。

今日は何もありませんようにと願うばかり。

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差し込む日差しがまぶしくて、

僕は目をそっと

閉じたんだ。

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