―350― ページ45
蓮side
・
辰にいの視線はこの遺灰の小瓶。
ラウールが死んでからのこの3か月間、肌身離さず毎日持っていたもの。
蓮「これを持ってるとさ、安心するんだ。ラウが近くにいてくれるような。」
蓮「でも・・・悲しい気持ちは止まらない。ラウはもういないのに縋りついちゃう。居るように錯覚しちゃう。」
辰哉「うん。」
どこかで、ちゃんとお別れしなきゃと思っていた。
まだまだ受け入れられなくて。
この小瓶の中の遺灰は今の俺の精神的な主柱になっていたから、
なかなか手放すことができなかった。
辰哉「今日誘ったのはさ、ちゃんとお別れしてほしいなって思ったんだ。」
辰哉「まぁ、蓮が心の支えにしてるならさ、ずっと持ってても良いけど・・・なんとなく見てて苦しそうだなって。」
蓮「そうだよね・・・。」
・
1020人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆり | 作成日時:2022年11月1日 0時