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辰哉side
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「続いてのニュースです。東京都▲▲区○○中学校の理科教員が危険ドラッグの所持・譲渡の疑いで逮捕されました。名前は二宮・・・」
テレビから聞こえるニュースの音量を上げる。
映し出された映像からはあの優しそうな顔とは打って変わって、
キィっと睨みつけたような、
悪そうな目つき。
亮平「本当、捕まって良かったよね。」
康二「ほんまやね。」
「また、校内ではいじめの事実もあり、性的暴力を受けた被害者もいるということで警察が詳しく事情を聞いており、現在も捜査中とのことです。続いてのニュース・・・」
辰哉「これでラウも少しは報われるよ。」
松本さんの捜査の甲斐があって、
二宮先生や先輩達はその後、逮捕されることとなった。
決め手はラウールのGPS。
そしてメールに添付されていた写真。
脅されていた時のメールや写真がいくつか出てきたみたいで、
これが最終的に動かぬ証拠となったみたい。
それを元にゆすったら、正直に白状したそう。
警察に預けたラウールの携帯からまさかそんなものが出てくるとは思ってもいなくて。
証拠の確認として出された写真は怒りが湧いてくるほど。
あんな目に合っていたなんて。
俺らも見るのが辛かった。
でもそれ以上に、
深い苦しみと戦っていたラウールに、
俺らは全くと言って良いほど気づかなかったことが、
本当に悔やまれる。
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作者名:ゆり | 作成日時:2022年11月1日 0時