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辰哉side
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松本「その親友は私を助けてくれたのに。今思えば、恩を仇で返すような行動です。」
亮平「・・・・・・。」
松本「その子は結局自ら命を絶ってしまいました。」
涼太「そんな・・・。」
松本「誰か一人でも聞いてあげてたら、何か違ったのかもしれません。家族がいない中で、きっとそれは僕だったんだと今となっては思います。その後悔がずっとあります。ずっと。」
松本「ラウール君が万引きをして警察に来た時、何かに怯えている感じがしました。脅されてるのかなって。でもその中にどこか聞いてほしい。助けてほしいって言っているような気がして。」
松本「もう少し踏み込んで、聞くべきでした・・・。」
「すみません。」と言って、顔を上げた松本さんの目にはじんわりと涙が。
辰哉「松本さんのせいではありません。」
そう言うと、松本さんが視線をこちらに移す。
辰哉「ずっといけない関わり方をしていたのは、家族の方です。」
辰哉「警察にはお話ししましたが、事故があって父さんが死んでから、その恨みをラウにぶつけて、ラウのことをずっと避けてきました。家族として間違った関わり方をしていることに気が付きながら・・・」
辰哉「あの日・・・万引きをして迎えに行った日、俺は、ラウに最低なことを言いました。」
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辰哉「それとも興味本位?ばれないと思った?」
辰哉「反省してるならさ、もう二度としないで。困らせるようなことさ・・・」
ラウ「はぃ・・・。」
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松本さんも頷きながら、俺の話を静かに聞いてくれた。
辰哉「あの日、俺はラウの顔もまともに見れていなかったと思います。そんな、脅されてたなんて疑いもしなかった。」
涼太「結局気が付けなくて。ラウールが苦しんでたのに、相談できる環境すら与えてあげられなかった・・・。」
亮平「ラウの友達や松本さんのように、信じてあげられなかったね。俺たちは・・・」
辰哉「最低だったね。」
今さら後悔しても遅い。
全部全部遅いんだ。
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すみません。
お話が漏れていたので追加をしました。
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作者名:ゆり | 作成日時:2022年11月1日 0時