―337― ページ32
辰哉side
・
松本「実は、ラウール君が亡くなってから、ある1人の男の子が警察に来てくれて。」
松本「前に聞き込みに行ったときに、その子にたまたま話を聞いたんです。」
“ラウールは絶対万引きなんてしません”
松本「そう・・・力強く言ってくれた子でした。」
涼太「・・・・・・。」
松本「また警察に来てくれて。もしかして脅されてたのではないかって。先輩にも悪い噂が色々あるし、何か、大きな何かに巻き込まれたんじゃないかって。」
松本「すごい形相で。切羽詰まっている感じでした。これじゃラウが報われないから何とかしてほしいって。」
そんなラウを思う友達が・・・
松本「余談になりますが・・・。」
松本「僕にもとても大事にしている友達がいました。」
松本「その子はいじめられている僕を助けてくれました。お互い親友だと思っていた。ただ・・・」
中学生の時に両親を亡くし、途中から施設での生活になってしまったそう。
施設育ちというレッテルに流されて、
いじめられているのにも気づいていたが、見て見ぬ振りをしてしまったと。
辰哉「・・・・・・。」
松本「気が付いたらその友達はいつも一人になっていました。何か言いたそうな目でこっちを見続けて、話したそうにしていたのに・・・。僕は無視をしました。」
宙を見つめる、松本さんの目にも悲しさが溢れていた。
・
1020人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆり | 作成日時:2022年11月1日 0時