歪んだ十字架８ (ページ15)

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翔太side

・

　

は・・・？

　

死んじゃった？

　

死んじゃったって？

　

え？

　

どういうこと？

　

　

翔太「はっ？急に何言ってんの(笑)」

死んだって？

　

なんの冗談？

　

翔太「えっ？な・・・んで？」

辰哉「わかんない・・・でも・・・。」

　

“自分で自分の命を絶った”

握った携帯をスルっと落としそうになるくらい、

　

さすがの俺も動揺が隠せなかった。

　

状況を説明する辰哉の声は明らかに震えてて。

その声を聞けば、それは嘘なんかじゃなくて。

ただ事じゃないことが見て取れた。

　

それはまるで・・・

父さんがいなくなった時みたいに。

　

　

翔太「と、とりあえず今から行くから。」

　

そう言って、無理矢理仕事を切り上げる。

後輩にはマジで悪いけど、

忙しいなんて言っている場合じゃない。

ため息ついている場合じゃない。

上司からなんか言わたけど、今は・・・

それどころじゃない。

　

　

翔太「はぁっ・・・はぁっ。」

　

　

すれ違う人をかき分けて、

全速力で地下の駐車場まで向かう。

　

ラウールに対して俺らが今までしてきたことが思い浮かぶ。

態度

行動

言葉

全てにおいて、俺らは罪悪感もなく矛先をラウールに向けた。

でも・・・

別にそれは今に始まったことじゃないし。

俺らがずっとしてきたことで、いきなりそんなことする？

　

車に急いで乗り込んで、キーを差し込んで

エンジンをかけた瞬間に、

翔太「あっ・・・・。」

俺は、あの日のことを思い出した。

・