歪んだ十字架８ (ページ13)

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涼太side

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涼太「はぁっ・・・はっ・・・」

なんで・・・？

どうして・・・？

そんな疑問が頭に浮かんでも今は考えている余裕もない。

こんな短期間でまた救急車を呼ぶとは思ってもみなかった。

　

　

辰哉に言われて急いでリビングに置いた携帯を手に取り、

ボタンを押す。

　

“１１９”のたった３プッシュなのに、

　

手が、

指が、

震える。

　

涼太「はぁっ、大丈夫っ、だい・・・じょうぶ。」

　

あの時もそう必死に唱えるのが精一杯だった。

まるで自分に言い聞かせるように。

根拠のない大丈夫を

ただただ呪文のように唱えた。

　

プルルルル

プルルルル

　

お願い・・・

早く・・・

コール音だけがやけに響いた。

「はい、１１９です。火災ですか、救急ですか？」

　

やっと出たと思っても

体は震えるばかり。

とにかく誰かに縋りたくて。

　

涼太「救急で・・あの・・弟が・・弟が、血を流して倒れてて・・・。」

俺はちゃんと説明することができただろうか？

　

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・

　

　

その後のことは、正直覚えてない。

いつの間にか僕たちは病院に居た。

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