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翔太side
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今日はラウールの退院の日。
普段なかなか休みが取れないため、辰哉と照になにかと任せてしまっている。
たまには俺がと名乗り出た。
今日は、久しぶりの有休。
仕事柄病院を訪れる機会は多いけど・・・
やっぱりこの消毒液の匂いと独特の雰囲気には慣れないかな・・・
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小児病棟の個室の扉をガラっと開ける。
手つかずの昼食が置かれたまま、ぼーっと一点を見つめるラウールの姿があった。
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翔太「来たよ。ラウ?」
一瞬こちらを向き、
ラウ「っ・・しょっ・・に・・。」
俯きながら、答えた。
名前を呼んでくれた。
それだけで嬉しかった。
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ナースステーションへ行き、退院までの手続きを済ませようとした時・・・
看護師さんから、カウンセリングをしている担当医からお話があるとのこと。
看護師「あちらで少しお待ちください。」
そう言われて、少しばかり待つことに。
しばらくして、颯爽と若めの先生が現れる。
櫻井「はじめまして。ラウール君のカウンセリングを担当しています、櫻井と申します。」
思わず立ち上がり、挨拶をする。
櫻井「ラウール君少しカウンセリングをしてから、退院にしましょう。」
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作者名:ゆり | 作成日時:2021年1月4日 18時