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兄を求めて 22 ページ24


グルッペンside


ふぅ...

俺はそう溜息を着き、羽根付きのペンを懐に戻す。



戦後処理も終わったし、後は大した書類もないな、と思い、再び医務室へ向かう。



階段を降り、医務室へ向かう角を曲がると、大きい図体を目立たせたしんぺい神に遭遇する。


なんか...ポケ〇ンみたいやな(小並感)




sn「グルッペンや、書類は終わったん?」



『おう、シャスと談話をしに来たんだが...やはりまだ眠っているか?』



sn「いや、過去を思い出せるように歴史の本を渡したから...多分それ読んでる」



紙の中で口を尖らせ、髭のついた顎に手を寄せて言ったペ神。さぞかし、こいつの瞳は美しいのだろうな。



sn「てか、オスマンは?」


『オスマン氏か、自室から薔薇園に居ると思われるぞ』



俺は知らんけどな。あの後は走って行ってしまったものだから。



『あ、でー、シャスの体調はどうなったん?』



話を逸らすように俺は興味もないシャスの体調を聞く。



sn「心拍数も安定してるし、大丈夫だと思うよ」



『そうか...』



じゃあね、と言って去ったしんぺい神を見送り、俺は医務室へ入る。




中へ入ると、そこには重い本を太腿に乗せて見ているシャス。



俺の気配を感知したのか、体を跳ねらせるシャスに、俺は『さっきぶりだな、』と言う。


shas「さ、さっきぶり?...です」



オドオドしく答えたシャスの側にあった椅子に座り、俺はシャスの本を覗く。



『今は...何の分野を見ているんだ?』



shas「えっと...アテセ世界大戦...です」



『アテセか...良い分野を見ているな。アキレウス国とテリーズ国、セリオウス国の戦争だろう?』



shas「はい。大規模な戦争で、私に価値は感じられません」




『フム...お前は非戦争主義国の総統だと聞くからな...そう考えるのも無理はない』



shas「...そう、らしいですね」



俯いたシャスに、俺は追い打ちをかける。



『お前はクリスタル所持者だ。美しい使命をソレに込めた。お前は優しい善人。

...そんな過去を思い出さずに居て、良いのか?シャスは』



shas「...私は...私は.....!」






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作者名:扇@リョク | 作者ホームページ:uranai.nosv.org/u.php/novel/usiro_member/  
作成日時:2018年6月17日 14時

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