兄を求めて 16 ページ18
オスマンside
俺はシャスを医療室へ連れていき、診察ベッドに寝かせる。
まだ喘息は続いているが、良くなってきてはいる。
sn「あれ、また喘息?」
『またとは失礼な。仕方ないやろ?』
sn「刺激薬は?」
『一応吸わせた。そろそろ落ち着くと思うけど...』
sn「さっき、ブランド国の一味が帰ったみたい。シャスのことをすごい心配してるみたいだった」
『そか...じゃあはよ返さなアカンかな...』
sn「...さあ、分かんないよ?シャスの意見もあるやろし」
ペ神はそう言ってシャスの背中をさすった。
......そんなこと、分かりきっとるんや。
愛しの妹で、頑張って俺を探してくれていた。
俺だって、もうシャスを離したくあらへん。
大好きも、愛してるもまだ言えてへんのに.....
でもそれを言ってしまえば、シャスはさもなく死ぬ。
俺を見つけたきり、やから
...だったら、もっともっとシャスに生きていて欲しい。
俺なんて忘れて、もっと国土を広げて、世界に羽ばたいて欲しい。
才能があるんやから、もっと最大限に引き出して欲しい。
...もっと、彼女を愛せるような人に出会って欲しい。
俺なんて、彼女を愛すること疎か、シャスを見放した身だ。
そんな奴が兄でいいのか、分からんのや。
...でも今だけ、シャス・ヴィトンの兄になってええか?
...俺が兄だと分かるまで、お前が死ぬまで、
最後までずっといたいんや。
12人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:扇@リョク | 作者ホームページ:uranai.nosv.org/u.php/novel/usiro_member/
作成日時:2018年6月17日 14時