Together (ページ22)

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リリーside

…顔のあたりに違和感がある。消毒液の匂いが鼻を刺す。右手に温もりを感じる。

あれ、俺は、病院着いて…そのまま倒れたんや

顔の違和感は酸素マスクであることが分かりゆっくりと目を開けると、霞んでた視界がハッキリしてきて此処が病室であると気づく。

空いている左手で酸素マスクを外し、温もりを感じる右手の方を見ると名前がそっと俺の手を握ってベットのヘリに突っ伏して寝ていた。

ずっとそばにおってくれたんや…

俺はどのくらい意識を失ってたんや？
周りを見渡すために少し体を動かすが全身に激痛が走る。

「……っつ…！」

目線だけで自分の身体を確認すると、服の隙間から左肩の辺りから胸部にかけて包帯が巻いてありしっかり固定されていた。

A「…将企？起きたのっ⁉よかった…」

リリー「A…」

思った以上に声が出ない事に驚いた。

リリー「なぁ、俺…何時間…ぐらい寝とった？」

A「多分、9時間ぐらい」

リリー「大分寝たな…、はぁ…」

A「身体の具合はどう？」

リリー「…、まだ…動けん、けど気分は大分…良くなった」

A「そうだよね…でも、よかった…将企が倒れて、いくら名前呼んでも、びくともしなかったから…死んじゃったらどうしようって…グスッ」

リリー「心配…かけたな…、A、足は？大丈夫か？」

A「ただの捻挫だし、普通に歩けるから大丈夫！そんな事より将企は自分の心配して！将企、足首の靭帯損傷してるってよ⁉」

リリー「気づかんかったわ…」

一通りAから自分の容態を聞いた。それで、やっとあの時の死を覚悟する程の激痛の原因が分かって納得した。