【トラファルガー・ロー】【ONEPIECE】学パロ (ページ3)

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『ばーさん、チョココロネとメロンパンください』

はいよ、とひとつ返事の後に、ばーさんもとい購買のおばちゃんはチョココロネとメロンパンを手渡してくれる。

毎日買ってると値段も覚えてくるもので、どうせ同じ品しか買わない私はお釣りの出ないぴったりな金額をばーさんに渡す。

「いつもありがとうね、Aちゃん。
Aちゃんのために、チョココロネとメロンパンは必ず残しておくのよ」

そして、毎日通っていると名前も覚えてもらえるもので、いつの間にか私はこのばーさんと親しくなっていた。

『ああ、だから毎日買えてるのか。てっきり人気がないものだと』

行けば必ず残ってるからこの2つを買っていた訳だが、まさかこのばーさんが意図的に残しておいてくれてたとは。
別に、特別この2つが好きという訳でもないが、私のために親切してくれるばーさんには感謝する。

『毎日ありがとう。ご馳走様です』

挙句はいつもは言わないことまで言ってしまう始末だ。

「でも、いい加減菓子パンばっか食べてると身体壊すわよ」

『…じゃあ売るなよ』

せめて、こう説教じみた部分がなければなおいいのだが。

＊

右手に先程買ったメロンパンとチョココロネ。そして、左手に自販機で買ったパックのフルーツジュースと財布を持って、私は階段を上っていた。

私たちの1年生教室は、新校舎A棟の３階にある。なんでも、この新世界高校は年功序列の様なものがあるらしく、2年生は我々と同じA棟の1,2階に教室を持ち、我々下っ端1年生は、わざわざ階段を駆け上がって3階まで上るのだ。何とも面倒くさい。

ちなみに3年生は、実習室とともに別校舎に教室を据えている。

であるため、ただでさえ我々は3年生との関わりが少ない。なんと言っても、この学校には七武生というとてつもな〜く危険な人達がいるから気をつけなくてはならない。

なんて苛立ちを込めながら階段を駆け上がっていた時。

『わわわ！』

何かの拍子につまづいてしまった。

階段の踊り場だったからか転ばなかったことは良かったものの、一歩間違えれば大事になっていただろうと思うと今になって寒気がする。

『あ、パンが』

私には何も無かったものの、かろうじで抱えていたチョココロネが階段下に落ちてしまった。

(…財布は持っているな)

他に何も落としていないかを確認して、私はそれを拾いに階段をゆっくりとおりた。