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川西サイド
「賢志郎〜、」
楽屋に二人きりになってすぐに、水田くんがうめき声みたいに僕の名前を呼んだ。
「どおしたん?」
スマホをいじりながら適当に応える。
「なんでそんなもう元気なの…」
「んん?」
「M−1終わってからまだ10日しか経ってへんねんで?」
「逆に言うたらもう10日も経ってるんよ?」
「え〜、賢志郎なんでそんな余裕あんの?」
スマホをいじるのをやめて、水田くんに向き直る。
「そりゃあ、何も思うてへん訳やないよ。M−1に関しては。でもなぁ、僕らは自信あるネタ持ってって、正々堂々と戦ったやろ。その結果が2位やったってことや。完全に僕らの力不足やったんやから、また来年に向けて漫才頑張ってったらええねん」
「そうは言ってもなぁ…」
いまいち踏ん切りがついてない様子やった。
「…そうや、どの芸人も誘ってこうへんから、今からママのとこへ飲み行かへんか?」
気分転換?とはまたちょっと違うやろうけど、水田くんに少しでも明るくなってもらえるように、提案してみた。
「んー、そうやなあ。そうしよおかなあ…家おっても暇やしなあ…」
「じゃあ、決まりな」
「Aちゃんも誘ってなあ…」
「…まあ、ええよ。向こうが良かったらの話やけどな、」
LINEを開いてAちゃんにメールを送る。
そういえば、前会った時から一度も連絡取ってへんかったなあ…
「ん、AちゃんにLINE送ったで、」
「そっか、じゃあ、行こうか」
「おお、」
僕は水田くんの後を追うように、荷物を持って、楽屋から出て行った。
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雅(プロフ) - 修学旅行ハプニングあったみたいですか、楽しめて良かったですね!!私も田舎に住んでるから、東京行ったら確実に迷子になっちゃう(笑)テストもお疲れ様でした! (2019年6月20日 22時) (レス) id: ff8c7fad23 (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - 雅さん» 受験生といってもまだ6月なんで、全然更新していけると思います!また、お話楽しく描いていきますね^_^ (2019年6月20日 22時) (レス) id: abcbda1e9b (このIDを非表示/違反報告)
雅(プロフ) - いつも読ませていただいてます!受験生大変ですよね。無理せず、暇なときに更新してくださいね。 (2019年6月3日 21時) (レス) id: ff8c7fad23 (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - 大丈夫ですかー(笑)でも楽しみながら読んでもらえてるようで、嬉しい限りです^_^ (2019年5月19日 13時) (レス) id: abcbda1e9b (このIDを非表示/違反報告)
あやかちん(プロフ) - やぁぁっちゃった///ふぅぁぁぁ!!((テンションおかしい (2019年5月19日 11時) (レス) id: 34fff6315e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さら | 作成日時:2019年4月16日 21時