ギュッとして！ ２

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「本当ですか…？」



信じられなかった。



川西さんが私を好き？



「うん、そうやで」



「…ほんとに？」



「ほんまやって」



「ほんと…」



「何回言わすねん！」



うそうそ！これ夢じゃない！



「Aちゃんも、僕のこと好き？」



そんなのもちろん、



「私も好きです」



私の返事を聞いて、フワッと表情が緩んだ川西さん。



「よかったぁ〜、嫌い言われたらどうしよかと思ったわあ、」



「嫌いな訳ないじゃないですか」



「付き合ってくれる？」



「…はい…！」



まさかこんな展開になるなんて…



ほんとに夢みたいだった。



「そういえば…水田さん、大丈夫そうですか…？」



「ん？」



「ほら、水田さんが特に燃えてるって言ってたから…」



「あー、アイツなら多分大丈夫や。しばらく落ち込んでるやろうけど、すぐ元戻るやろ。心配せんとって」



「そうですか…じゃあよかったです」



「そんなことより、Aちゃん…キスしてええか」



「へっ！？キッ、キス…！」



急に面と向かってそんなこと言われたものだから、声がひっくり返った。



その途端、川西さんの真剣だった表情が崩れて破顔になる。



「何やねん、その声」



私結構な回数笑われてるよね…



「川西さんが急にそんなこと言うから…」



ほんと、恥ずかしい…



思わず両手で顔を覆った。



「Aちゃん、手退けてえやあ〜」



「笑うのやめたら退けます」



「そんなこと言わんとぉ、」



川西さんが若干無理矢理私の手を顔から剥がそうとする。



「やめてくださよぉ、」



必死に抵抗したがかなうわけもなく、勢いよく手が顔から剥がされた。



「わっ、！」



勢いあまって川西さんの顔にぶつかりそうになる。



鼻との距離約１０センチ。



そのまま見つめ合い、なんだかそういう雰囲気になって、川西さんが目を瞑って顔を近づけてきた。



私も目を瞑って受け入れる。



やがて唇に柔らかい感触がして、ゆっくりと離れていった。



目を開けてお互い気恥ずかしくて照れ隠しにはにかむ。



そしてそのまま何も言わずにもう一度キスをした。



やがてそれは深くなっていって、川西さんにベッドに押し倒される。



川西さんに身を任せながら思った。



私は川西さんに救われた。大げさな気はするけど、運命だって思ってる。



だからお返しって訳じゃないけど、今度は私が川西さんの味方になる番だ。と。



胸のうちに密かに誓った。

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