ギュッとして！ ２

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「とろサーモン！！」



パンっとテレビの中で金色の紙が舞う。



え…また準優勝…



嬉しそうに笑っているとろサーモンさんの後ろにいる二人の顔を見てしまった。



その顔はほんとに悲しげで。見てられなかった。



『ピッ、』



私の様子に見兼ねたママがテレビを消す。



「…Aちゃん」



ママも私にかける言葉が見つからない。



「…準優勝でしたね…」



「うん…」



今度川西さん水田さんに会うとき、どういう顔で会えばいいのだろうか。



「ごめんなさい、今日は帰ります」



「うん…気をつけて帰ってね」



ほとんど何も考えられずに家までの道を歩いた。



部屋に入ってお風呂に入ったり、歯を磨いてるうちにだんだん気分が落ち着いたと同時に、たくさんの感情が込み上げてきた。



『なんで…川西さんと水田さんはすごく頑張っていたのに。努力してたのに。



もちろんとろサーモンさんも面白かった。



だからってなんで準優勝なの…』



自然と涙が溢れた。



一番辛いのは和牛さん本人のはずなのに、私が泣いてどうするの。



むしろ私が励まさないといけないでしょ。



そう考えたけど、やっぱり一度溢れた涙はは止まらなくて。



気づいたら泣き疲れて、そのまま眠ってしまっていた。

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