ギュッとして！ ２

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川西さんを待っている間に考えた、ちょっとしたドッキリがある。



芸人の彼に対抗してみたくて、計画した。



川西さん、驚いてくれるかな…



『カランコロン♪』



川西さん来た！



「あっ、やっと来た。Aちゃーん！」



「はーい！」



川西さんが隣に来るのが待ちきれなくて、身を乗り出して入口の方を見る。



そんな私を見て川西さんが微笑みながら隣に座った。



「ごめんなあ、待った？」



「だいぶ待ちましたけど、私がはやく来すぎただけなので」



「そっか。でも待たせてごめんなあ」



「いえいえ、」



「ママ〜！生お願い！」



「りょーかい！」



作戦開始！



「あっ、川西さんに報告しときたいことがあります！」



「おっ、珍しいなぁ。なになに？」



「私、結婚する事になりました！」



どうだ！



川西さんの顔を見ると、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしてた。



普段はそんな顔しないからなんだかおかしくて、思わず笑い出してしまった。



「ハハハッ、ハハハハッ！」



「ん…？」



まだいまいち状況が飲み込めてない様子。



「冗談です、冗談」



必死に笑いをこらえながら言った。



「Aちゃんって冗談言う子なんや…」



「言いますよぉ、私そんなに真面目じゃないので」



これは作戦成功だよね。



「ほんとはね、無事に職に就けたということを、報告したかったんです」



「…よ、よかったなぁ。はやく見つかって」



「はい！キャバクラで働く事になったんです」



思ってた以上にさっきのが上手くいったので、調子に乗って二個目。



「…これもまた嘘やろ！」



けどさすがにもう騙されなかった。



「冗談でーす」



また、川西さんが忘れた頃にやろう。



苦笑いしている川西さんを見て、そんなことを思った。

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