ギュッとして！ ２

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川西さんと水田さんはやっぱり仲が良くて、ハゲデブの言い合いは心配するまでもなく、すぐに終わった。



「賢志郎、よかったなあ。ええこと教えてもらって」



「うん。ええこと聞いた。早速明日買いに行く」



もうすっかり元に戻っている。



よかった。すぐに仲直りしてくれて。



「あっ、そうや真奈美ちゃん、」



「はっ、はい！」



まだ川西さんに呼んでもらうことに慣れてないのか、ビクッとなっている。



ふふっ、可愛い。



「ちょっとA、何笑ってるの」



「あっ、ごめん」



笑ってないつもりだったんだけどな…



「真奈美ちゃん、」



そういうと、川西さんはなんと真奈美の耳元で何かを囁いた。



「「「「…」」」」



おもわず川西さん以外のこの場にいた全員が沈黙。



真奈美に関しては、魂が抜けたかのように呆然としている。



「真奈美ちゃん？」



「あっ、はっ、はい！」



真奈美がハッとして背筋を伸ばして返事をする。



「教えてくれへん？」



そういうと、川西さんが今度は自分の耳を真奈美の口元まで持っていく。



「え…ここに向かって言うんですか…？」



「そりゃそうやろ。ここ以外どこがあんねん」



「ほんとに…大丈夫ですか？」



「大丈夫に決まってるやろ〜」



そう言われると、真奈美は決心したかのように、顔を川西さんの耳のことまでちかづけて、何かを言った。



真奈美の言葉を聞くと、川西さんは満足した笑みを浮かべて、



「ありがとう」



と真奈美に言った。



「……」



今真奈美は多分、脳内パニックを起こしていることだろう。


「…みんなどうしたん？固まって。飲まへんの？」



「あっ、飲みますよ…」



川西さんに促され、グラスを持ち上げ中身を一気に飲み干した。

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