組織のNo.2は最推しに瓜２つだった件について４

１５５話、笑えぬ冗談だぜぇ ページ9

「…ぁ…ありがとうござ…「行くぞ」…はぃ。」


近くのホテルまで送ってくれた部下さんにお礼の一言も言わせてもえずに、煉獄さんに肩を抱かれてホテルへ連行された
受付の人の簡単な説明も流れるようにパスして連れて来られた一室


これで最上階だったら焦ってた〜っ


予約なして最上階だったら普通に冷や汗ダラダラだったが、それでも広々とした部屋に通されたものだから震える


「…首は痛めてないか？」
「？ 痛くは…無いですね」
「……そうか、先に風呂に入るといい…辛いだろう？」


優しく首筋を撫でる煉獄さんの手に震えたが、何とか我慢した
正直、臭いが辛かった
それ以上に辛いことが起こったから気にもしてられなかったが…
煉獄さんに背中を押され、バスルームに案内された


「ゆっくり入るんだぞ？」
「…ぇ、何処に行くんですか？」
「は？…普通に部屋で待ってるつもりだが…」
「ぃい行かないで下さいっ！」


出ていこうとする煉獄さんの腕を掴んで止めた
私がお風呂に入っている間に煉獄さんがあの場に戻るかもしれない
その可能性が怖くなった
送ってくれた部下の人は直ぐに離れて行ってくれたけど…
電話１つで戻って来れる
あり得る可能性に震えた
せめて私の視界に居るところに居て欲しかっただけだった


「……ほぅ、ならAが俺の相手をしてくれるのか？」
「…ぁ、」
「何処にも行って欲しくないのだろう？…よもや、Aの入浴をただ指を咥えて待ってろ…っと？」


んぐ…ッ！た、確かに…言い分は分かる
これは完全に私のワガママだ──
よろけそうになり、フラつく足取りで一歩下がろうとしたが
腕ごと引っ張られ、そのまま腰を掴まれれば言葉も出てこない


か、覚悟を決めるしか──


予想できなかった訳ではないが…完全に浅はかな考えではあった


「……っ、」
「…ﾌｯ、冗談だ…此方へおいで、髪の毛から先に洗うか！」


半泣きになりながらも覚悟を固めていたら、小さく笑われて頭を撫でられた
全くもって笑えない冗談ですな…っはは、

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