158話、匂いの価値観 ページ12
笑い飛ばせば、軽く笑われて首筋に小さく煉獄さんの唇が押し当てる感触が伝わった
何度も…何度も…
伝うその感触に少し震えた
「……痛くないか?」
「少し…っ、でも平気ですよ」
付けられた爪跡をなぞる口付けに力なく笑った
触れる度に少しヒリヒリする感覚はまだあった
思いっきりやりやがって…ッ!
っとキレてやりたいが、彼女には充分なほど罰が当たったので私は許そう!優しい〜っ!
お湯が膝辺りまで溜まってきた頃に一旦、蛇口を止め
次はシャワーヘッドの蛇口を捻る煉獄さんの動きに止まった
「……今思えば髪の毛ぐらい自分で出来ますよ〜?」
「その間、俺は何をするんだ?」
「……おん、なるほど!お願いしまーすっ!」
大人しく洗われるか、喰われるか、好きな方を選べ
っと言わんばかりの笑顔で言われたら頭を下げるしかなかった
てか、私の選択肢は1択しかないだろッ!!それぇ!!
温かいお湯が心地良いぐらいの温度が髪の毛を濡らす感覚を大人しく受けていた
しかし、若様に髪の毛を乾かして貰った次は髪の毛を洗って貰うとは如何に──
関われば関わるほど怖い存在であると共に、なんでこんな凄い人が私なんかを好きで居てくれるのか謎である
直に感じた恐怖は今も思い出せば震えそうだ
人一人、片手で簡単に持ち上げてしまう姿を見てしまえば、別の意味で価値観が変わるってものだ
そんな腕で今現在、頭を洗われているワケではありますが──
! ぁ、良い匂いだな…これ
泡立てられたシャンプーの香りを鼻腔いっぱいに吸い込めば、気持ちが緩むほどの良い香りに癒された
「……良い匂いだな」
ビクッ
「ん?どうした?」
「ぃ、や…っ同じこと思ったなぁ〜っと」
「──あぁ、そう言えばAとは匂いの価値観が同じだったな」
そう耳元で囁かれれば「ひゅうんっ!」と何とも情けない鳴き声を上げて、両手で顔を覆ったのは許してくれぇ…っ!
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棗(プロフ) - クロさん» そんな!?勿体ないお言葉…ッ!凄く嬉しいです!これから…だなんて、えへへ〜っ!すみません。ご期待に応えれる作品であれば幸いなのですが、これからもヲタクライフ強火で書ければ…!っと思っておりますので、少しでも楽しんで貰えるよう頑張ります! (2021年12月7日 0時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - ナキサさん» ナキサさんっ!!ありがとうございますっ!ナキサさんにそう言って貰えると嬉しいです!!応援もありがとうございますっ!日々、頑張っていきますっ! (2021年12月7日 0時) (レス) @page46 id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
クロ(プロフ) - 私のお気に入りの作品の中で、一番好きな作品です。棗様、いつも楽しいお話をありがとうございます!若様とヲタクな夢主ちゃんのこれからを想像しながら毎日更新されるのを楽しみにしています。これからも頑張ってください! (2021年12月6日 8時) (レス) @page39 id: 6871d01b79 (このIDを非表示/違反報告)
ナキサ(プロフ) - イケメンな若様、最高ですね〜!夢主ちゃんとの関係値が好きです。応援してます! (2021年12月6日 1時) (レス) @page39 id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - 梅好きさん» 梅好きさん嬉しい言葉をありがとうございます!優しい世界に泣きそうです!とりあえず、ティッシュをどうぞ…!とても恥ずかしい気持ちで一杯なのですが、そう言って貰えると本当に励みになります!これからも頑張りますで引き続きティッシュ片手に宜しくお願いします! (2021年12月4日 6時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:棗 | 作成日時:2021年11月28日 1時