160話 ページ11
緑谷side
相澤先生が教えてくれた病院に着いた
ロビーを見渡すけれど月躬弖さんの姿は見つからない
受付の人も雄英の制服を着た高校生が20人も走ってくるもんだから驚いている
「すみません!!ヘスティアって今どこにいるか分かりませんか!?」
「え、あぁ ヘスティアなら病室棟に…」
答えてくれた言葉の途中だったけど言い切るのを待っていられなかった
病室棟に入れば走ることは出来ないから皆早歩きで探し回る
ふと小児科の方から楽しそうな声が聞こえてきて目を向けるとその空間自体がキラキラと輝いていた
「デクくん!あれって!」
「あぁ!月躬弖さんだ!」
間違いない あの白い光は月躬弖さんだ
皆も気付いたようで人集りができている所へ向かう
小児科のロビーだった
その中心にはコスチューム姿のままの月躬弖さんがいて天井スレスレに不死鳥が飛んでいる
子供たちの瞳に不死鳥が反射して映っていてすごく幻想的な空間だった
不死鳥に触れようと手を伸ばしているけど届かなくて落ち込む男の子に月躬弖さんは翼から羽を抜いて手渡していた
「何かあったら駆けつけてあげる」
「ほんと…!?」
「うん 私が守るよ」
男の子の頭を撫でて優しく笑う月躬弖さんは正しくヒーローだった
個性が戻ったことで月躬弖さんからは光が溢れ出ている
彼女の肩にとまる不死鳥も白く輝いていて神秘的な存在に見えた
僕達は昨日 彼女を傷つけてしまった
こんなことを言うのはわがままだって分かっているけどその優しい笑顔を僕達にも向けてほしかった
僕達に気付いてほしかった
やっと見つけたのに声を掛けたくても掛けられない
皆がもどかしい思いでいっぱいになった時
「ヘスティア!!!!!」
かっちゃんが彼女の名前を呼んで走り出した
それにつられて僕達も彼女の元へ駆け出す
突然のことに月躬弖さんは驚いている様子だ
「この人たち誰〜?」
「ティアのお友達??」
「ねぇ〜ティアもっと遊ぼう!」
僕達が駆け寄ると月躬弖さんを渡さないとでも言うかのように子供たちが彼女に抱きつく
子供たちの保護者であろう人達は月躬弖さんに謝っているけど彼女は「気にしないでください」と笑って子供たちを抱きしめ返した
「ティア〜!この人たちもヒーロー?」
「うん そうだよ」
「なんでコスチューム着てないの?」
「僕達と遊んでくれるの?」
「う〜ん どうだろう?お願いしたら一緒に遊んでくれるかもしれない」
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あまね(プロフ) - かっちゃん‼️尊いな! (11月20日 3時) (レス) @page45 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
わかめし - 笑えない君も見てきました!すごく儚くて泣きながら読みました。こっちの拝啓シリーズはもう終わってしまったのですか?続いてくれるのを待ってます!毎日見るので!白昼夢や新しい作品も頑張ってください! (2020年4月15日 18時) (レス) id: 7ee9cc8e34 (このIDを非表示/違反報告)
とわ(プロフ) - すごくおもしろいです! (2020年3月6日 22時) (レス) id: 0c51310dc0 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫 - お疲れ様ですもう原作に追いつきますか('()')早い。見ててワクワクして楽しかったです!無料で読めるなんて作者さんに感謝です(占ツクを作ったh((((まぁいいか)これからも頑張ってください。私も勉強とか習い事がんばります。長々すみません! (2020年2月27日 20時) (レス) id: 717af831f6 (このIDを非表示/違反報告)
黒武(プロフ) - 更新お疲れ様です〜!派閥5人組の絡みも好きですし、地味に仲のいい障子君との絡みも好きでした。AnotherStoryも楽しみです…!話に出てくる作者様のオリジナルキャラが増えそうな予感…?覚えられなさそうですが、楽しく読ませていただきます! (2020年2月26日 22時) (レス) id: 82ef289687 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ばぐ | 作成日時:2020年2月22日 18時