134話 ページ35
轟side
ヒーロー基礎学中に月躬弖が大怪我をした
遅かれ早かれこうなる予感はしていたが実際ボロボロになったアイツは痛々しかった
すぐさま相澤先生がリカバリーガールの元へ連れていった為 すぐに復帰して今は部屋で休んでいるらしい
皆 月躬弖のことを心配していたが予想外にも元気そうな様子で帰ってきたから安心していた
夕食も終えて各自入浴をすませると部屋へ戻るやつがポツリポツリと出てきた
いつもなら俺も部屋に戻る時間になったけど今日はなんとなく起きていなきゃいけない気がした
緑谷と飯田が｢轟くんも早めに休んでね｣と俺に言った後 部屋に戻ったので共同スペースには俺だけになった
前にアイツがしていたように部屋から毛布を持ってきておもむろにテレビをつけた
こうすれば少しは気持ちが理解できるかと思ったが何も分からなかった
柄にもなくココアも飲んでみたが体が温まって眠たくなるだけ
時計の針が丁度12時を指す頃
月躬弖は前と同じ毛布を持って現れた
今日の演習で怪我はまた増えて頬にガーゼが貼られている
俺が起きていたことに驚いている様子だ
「まだ起きてたの？」
「それはお互い様だろ」
俺の横をポンポンと叩けば言いたいことが伝わったようで隣に腰をかけた
頬に貼られたガーゼには薄く血が浮かんでいる
月躬弖がくると見越して入れておいたココアを見て｢これ 私に？｣と聞いてきたから頷けば嬉しそうに笑った
「今日 どうしたんだ」
「睡魔に勝てなかった」
「そうか」
眠れなくてここにいるんだと思っていたがどうやら違うらしい
理由が分かっているなら寝ればいいのに
なんで無理してまで起きていようと思うのか疑問に思った
「夢を見るのが怖いの」
「夢？」
「そう 寝てみる夢ね」
テレビのリモコンを取ってポチポチとチャンネルを変えていく月躬弖
夢を見るのが怖くて眠れない
けどいつも同じ夢をみるとは限らないのにどうしてここまでして寝たくないのか気になる
「いつも同じ夢だよ」
「…どんな夢だ？」
口に出さずとも俺が不思議に思ったことに対して答えてくれる月躬弖に少し驚いたが観察力が高いコイツなら出来なくもないだろう
前の時と同じようにテレビをまっすぐ見て俺の方を見もしない
「私だけが泥沼に沈んでいく
出ようと藻掻けば藻掻くほど沈んでくの
誰も私に気付かなくて一人で死ぬ夢」
当たり前のように話す月躬弖はもう慣れてしまっているかのように見えた
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三毛猫 - 轟くん相変わらずイケメン(^^)頑張ってください (2020年2月22日 13時) (
レス) id: 717af831f6 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 大好きな作品です。更新これからも待っています。頑張って下さい！ (2020年2月22日 11時) (レス) id: c612da49fe (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - すごい、面白い。やばい。頑張って下さい。 (2020年2月22日 5時) (レス) id: 199549db1c (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 廃人さん» 聞いてみました！本当に似ていて驚きました笑 今後の展開と一部被ってたりもして…汗 (2020年2月21日 19時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 三毛猫さん» 重ね重ねありがとうございます！ (2020年2月21日 19時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年2月16日 21時
