131話 ページ32
轟side
この前 緑谷が言っていた
月躬弖が部屋に戻らず共同スペースに朝までいるのだと
別にそれが気になったわけではないが目が覚めてしまったから俺は共同スペースに向かった
階段を降りると共同スペースの方から光が漏れていた
耳をすませばテレビの音も聞こえて誰かがいることが窺えた
今の時刻はAM 1:20
普通なら部屋で眠っているはずの時間だ
音がする方へ行けば予想通り月躬弖が毛布にくるまってテレビを見ていた
机には恐らく覚めきっているであろうココアが入っているマグカップが置いてある
月躬弖は俺が来たことに気が付かないほど熱心にニュースを見ていた
テレビに映っていたのは紛れもなく俺の親父
コメンテーターが事件発生率のボードを指さして今の社会を嘆くようなコメントしていた
「この人 何様なんだろうね」
どうやら月躬弖は俺が来ていたことに気付いていたようでソファを開けてくれた
俺に話しかけたようだけど視線はテレビを向けたままだった
親父が映るテレビから視線を外すこともせずに月躬弖は眺めている
「轟くんはなんでヒーローになりたいの？」
よくある単純で唐突な質問だった
俺がヒーローを目指す理由
そんな理由は決まっている
「親父を見返すためだ」
「…」
聞かれたから答えたというのに月躬弖は俺の答えに反応を示さない
モゾモゾと動いたかと思えば冷めきったココアに手をのばした
その手は包帯やら絆創膏やらでとにかく傷だらけだった
最近 月躬弖は怪我をすることが多くなった
以前より大胆な動きをする技を習得しようとしている事もあるのだろうがそれにしても傷の数は多い
「私もエンデヴァーさんが苦手だった」
ココアを一口飲んだあと 月躬弖はまた視線をテレビに戻して告げた
「体育祭の時 話しかけられたんだ
轟くんと戦った後だった気がする
その時は威圧感が凄くて正直印象は悪かった
けど今はそう思わない」
体育祭で親父が月躬弖に話しかけたことも驚きだったがそれ以上に月躬弖があんな親父を肯定したことに一番驚いた
月躬弖の漆黒の瞳には親父が映っていた
「轟くんはなんでお父さんが嫌いなの？」
他の奴らだったら気を使って聞いてこないようなことを単刀直入に聞いてきた
あまり人に言いたくない話だった
だけど月躬弖は真剣な顔をしていたからコイツになら言っていいと思って全てを話した
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三毛猫 - 轟くん相変わらずイケメン(^^)頑張ってください (2020年2月22日 13時) (
レス) id: 717af831f6 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 大好きな作品です。更新これからも待っています。頑張って下さい！ (2020年2月22日 11時) (レス) id: c612da49fe (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - すごい、面白い。やばい。頑張って下さい。 (2020年2月22日 5時) (レス) id: 199549db1c (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 廃人さん» 聞いてみました！本当に似ていて驚きました笑 今後の展開と一部被ってたりもして…汗 (2020年2月21日 19時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 三毛猫さん» 重ね重ねありがとうございます！ (2020年2月21日 19時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年2月16日 21時
