過去編(第二章) ページ9
迅悠一side
今日は面白いことがある
俺のサイドエフェクトがそう言っていたという理由で俺はランク戦ブースに来ていた
俺がS級隊員になってから1年が経ってボーダーの隊員は随分増えた
前まではほとんど全員知り合いだったのに今は知らない顔ばかり
昔馴染みの人たちはお偉いさんになっているかトップクラスの防衛隊員になった
ついこの前までは攻撃手が1番人気のポジションだったのに最近は射手が流行っている
その流行を作った張本人の姿を見れば誰でも理解してしまうだろう
人混みを掻き分けてブースに設置された大型モニターを見ると見知った人がいた
黒いロングコートと白いジャケットが対照的な2人は互角の試合をしている
スコアは3-5 結構いい勝負だ
｢No.1同士の試合はレベルが違うね｣
そう言って隣にいた寺島さんに声を掛けた
｢異次元だよ｣と答えた寺島さんは一心に2人の試合を見ている
No.1攻撃手の太刀川慶とNo.1射手の妃旗A
特にAは圧倒的なセンスのよさでNo.1まで登り詰めた
攻撃手から射手に転向すると聞いた時はかなり驚いたが正しい判断だったようだ
現にトップクラスの弧月使いである寺島さんをエンジニア送りにしようとしているのだから
｢寺島さんはAのこと嫌い？｣
｢…別に嫌いじゃないよ｣
｢そうは見えないけど｣
怪訝そうに顔を顰めた寺島さんに｢やっぱり嫌いなんでしょ｣と言うと少し溜息をついた
ぶっちゃけた話 Aを嫌う…というか苦手に思う人は割といる
二宮さんはまさにその1人
センスが良くて誰よりも最前線にいるのだから仕方の無い話だ
本人も自覚しているしそれで傷付くほど弱い人間ではない
｢妃旗の弾トリガー技術は本物だ
おまけに本部長直伝の弧月まで使ってくる｣
｢そうだね｣
｢俺はどんなに頑張っても妃旗に勝てない
だから勝てるように作るんだ｣
そう言った寺島さんの表情はサッパリしていて後悔や妬みがあるようには見えなかった
少し心配していたけど彼なら大丈夫だろう
｢妃旗をギャフンと言わせて見せるよ｣
｢ははは それは楽しみだな｣
決心したような顔の寺島さんはランク戦ブースを去っていった
彼が防衛隊員としてここに来ることはもうない
だけど頼もしいその背中に未来を託すには十分すぎる存在だ
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弓月有無％(プロフ) - コメント失礼致します！！描写力が凄くて過去編まで来て思わず悲涙？落涙してしまいました、ストーリーも迚も読みやすく面白かったです！また気が向いたら更新して下さると嬉しいです、他作品も拝読させて頂きます。無理のない程に頑張って下さい是から応援しております (4月27日 20時) (
レス) @page39 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 更新ありがとうございます！嬉しいです！！ (2022年10月16日 22時) (レス) id: 88c8eec9ab (このIDを非表示/違反報告)
おと(プロフ) - 更新してくださり本当にありがとうございます！！めちゃくちゃうれしいです涙 (2022年9月27日 19時) (レス) @page33 id: c4a16c735a (このIDを非表示/違反報告)
仔犬(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2022年9月25日 20時) (レス) @page32 id: 8b2aa36d50 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新して下さると嬉しく思います。待ってます。 (2022年5月30日 23時) (レス) id: e6820645c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年12月2日 20時
