43話 ページ44
緑谷side
コンコンとノックが聞こえて返事をすれば入ってきたのは予想外な人だった
「久しぶり」
リンゴが入った袋を顔の高さまで上げた私服姿の月躬弖さんだった
｢これ借りるね｣と声をかけて僕の隣にパイプ椅子を持ってきた
「どうして月躬弖さんが？」
「お見舞いみたいな…感じかな」
器用にクルクルと林檎の皮を剥いている月躬弖さんはいつもの制服姿と違って大人っぽい雰囲気がした
「月躬弖くん！わざわざ来てくれたんだね！ありがとう！！」
「いえいえ 大変だったね3人とも」
「まぁ…うん」
切ってくれた林檎を食べながら会話を進めるけどやっぱり轟くんと月躬弖さんの間の空気は思い
轟くんも少し気にしてるみたいでチラチラと月躬弖さんを見ているけど彼女は全く気にしていない
「使ったんでしょう？…左側」
「っ…！あぁ」
「それが勝因だったの？」
この空気の悪さを気にせずにズンズンと轟くんに話を振る月躬弖さん
これには轟くんも驚いた様子だった
「使ったことで有利になったけどそれが勝因だったわけじゃねぇ
3人で協力したから勝てたんだ」
「そっか」
自分から話を振った割にそこまで興味を持ってない反応をする月躬弖さん
彼女も大概マイペースな人だ
「じゃあ2人は轟くんの炎見れたんだ」
「ああ！とても素晴らしい力だった！」
「羨ましいな 私も見たかった」
羨ましそうに僕達を見る月躬弖さんはもう轟くんに怒ってないようだった
なんだか一安心だ
穏やかな性格の月躬弖さんが唯一感情を露わにするのはいつも轟くんだった
かっちゃんが前に言ってた"轟くんへの劣等感"が彼女をそうさせていのかもしれない
「なあ月躬弖」
「ん？」
「俺もう逃げるのやめたから
お前を二度と怒らせないから」
轟くんが急に宣言し出すものだから月躬弖さんもびっくりしている
「なにそれ まるで私がすぐ怒る人みたい」
「わ、わりぃ そういう訳じゃ！」
「分かってるよ この前は強く言い過ぎちゃったよねごめん」
ふわりと優しく笑う月躬弖さんを見て轟くんだけじゃなくて僕たちも安心した
「私が雄英の推薦試験不合格だったこと知ってるでしょ？
それで轟くんに酷い劣等感抱いてたの
体育祭で轟くんと本気で戦って勝ちたかった
だから怒っちゃったの」
｢ごめんね｣と軽く首を傾げた月躬弖さんの新たな一面を知れて仲良くなれた気がした
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名無し - もうめちゃくちゃ好きです！！！！！（大声） (2020年3月2日 2時) (
レス) id: b192d8cc99 (このIDを非表示/違反報告)
朔月 - 夢主と轟が同率１位なら爆豪は三位になるのでは？ (2020年2月27日 18時) (レス) id: 1d90d43033 (このIDを非表示/違反報告)
巻 - 夢主かわいいかよ (2020年2月23日 21時) (レス) id: b1b8613275 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 黒武さん» 暖かいコメントありがとうございます！夢主様がヒーローデビューするまでしっかりと見届けたいと思っているので続編ともに今後もご愛読よろしくお願いします！ (2020年2月15日 8時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
黒武(プロフ) - 主ちゃんの派閥妹感すごいかわいいです…。頑張って強くなって、良いヒーローになってほしいです！更新頑張ってください。続きが楽しみです！ (2020年2月15日 0時) (レス) id: 82ef289687 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年2月9日 11時
