煉獄家 ページ10
疲労のせいか、あるいは逞しい背中から伝わってくる炭治郎よりも暖かい体温のせいか。
意識が朦朧とし始め、徐々に目蓋が重たくなってくる。
心地のよい睡魔に抗うことができず、いつの間にか私は、煉獄さんの背中に身体を預けて深い眠りについていた。
気がつくと、目の前には見覚えのない天井が広がっていた。
私は暖かい布団で横になっていて、ご丁寧に隊服から浴衣に着せ替えられている。
ここは……藤の家紋の家、かな？
上半身を起こして辺りを見回していると、ふいに部屋の障子が横に開く。
「あっ、目が覚めましたか？」
『え……っ』
障子の奥から現れたのは、煉獄さんによく似た幼い少年だった。
少年は静かに部屋に入ってくると、私の横に正座し、ぺこりと頭を下げる。
「初めまして。僕は煉獄千寿��と申します。兄上……煉獄杏寿��の弟です」
『煉獄さんの……？』
千寿��くんが言うには、ここは煉獄さんの生家、煉獄家らしい。
早朝に私を背負った煉獄さんが帰宅し、医者を呼んで看病してくれたそうだ。
柱の家に上がり込んで、看病までしてもらうなんて……。
己の情けなさ、申し訳ない思いで胸がいっぱいになっていると、千寿��くんは立ち上がって部屋から出ていく。
「無事で何よりです。今、兄を呼んできますね。……わっ！」
そう言って千寿��くんが障子を閉めようとしたとき、入れ違いに茜がするりと部屋に入ってくる。
『茜！』
「ゴ主人！ 目ガ覚メテ良カッタデスゥ！」
膝に飛び乗った茜の頭を撫でると、茜は気持ち良さそうに目を細める。
『ごめんね。心配かけちゃった』
「本当デスゥ！ アーシガ応援ヲ呼バナケレバドウナッテイタカ！」
『やっぱり、茜が煉獄さんを呼んできてくれたの？』
「ソーデスゥ！」
欲を言うなら、柱じゃなくて普通の隊士を呼んできてもらいたかったな……。
そんな我儘な思いを飲み込み、苦笑を浮かべる。
『座敷牢の御遺体と、あの少女は？』
「アノ炎柱ガ埋葬シテクレタデスゥ！ 衰弱シテタアノ子モ無事デスゥ！」
『そっか。よかった。後で煉獄さんにお礼を言わなきゃね』
「オ礼ナンテ言ワナクテイイデスゥ！ アイツ、ゴ主人ノコト好キ放題言ッテ、許セナイデスゥ！！」
突然、茜は毛を逆立てて唸るように言う。
その変わりように驚いていると、茜は誇らしげに続ける。
「アイツ、ゴ主人ノコト勘違イシテタ様ナノデ、腕ニ噛ミツイテヤッタデスゥ！」
『……え、何してるの！？』
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紅いちご - 続編ですか！！楽しみに待ってますね！ (2021年11月6日 22時) (
レス) @page41 id: 0ffbfabdee (このIDを非表示/違反報告)
むつき。(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも頑張ってください(๑•̀ㅂ•́)و✧ (2021年11月6日 5時) (レス) @page41 id: 6b2570d7e2 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉いろは(プロフ) - むつき。さん» コメントありがとうございます！ 本編でもこの二人の関係性はしんどいので、今後どう夢主ちゃんと絡ませていこうか悩んでいます(苦笑)無限列車が近づいてきて精神が削られていますが、更新頑張っていこうと思います！ (2021年11月4日 22時) (レス) id: cba06c9064 (このIDを非表示/違反報告)
むつき。(プロフ) - 冨岡さんと錆兎さんのシーンにめちゃめちゃぐっと来ました（語彙力）更新頑張ってください！ (2021年11月3日 18時) (レス) @page38 id: da60582d52 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉いろは(プロフ) - 匿名希望さん» ご指摘ありがとうございます！ 本当ですね！ 全然気がつきませんでした……ありがとうございます！ (2021年10月22日 22時) (レス) @page29 id: cba06c9064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉いろは | 作成日時：2021年9月22日 15時
