手紙 ページ28
「手紙を」
お館様の指示で、お館様の傍らにいた少女が手紙を広げる。
「こちらの手紙は、元柱である鱗滝左近次様から頂いたものです。一部抜粋して読み上げます」
『っ！』
鱗滝さんの手紙……？
手紙の内容は、こうだった。
炭治郎が禰豆子ちゃんと共に鬼殺隊に入る許可を乞う言葉や、禰豆子ちゃんが人を襲わなかったという証言。
そして、もし禰豆子ちゃんが人に襲いかかった場合、
炭治郎と鱗滝さん、そして現水柱である冨岡さんが、腹を切って詫びるというものだった。
炭治郎は静かに涙を流し、私は右手で自分の口元を覆う。
……鱗滝さん。
「切腹するからなんだと言うのか。死にたいなら勝手に死に腐れよ。何の保証にもなりはしません！」
傷だらけの人は苛立たしげにそう言うと、お館様は落ち着いた声で告げる。
「確かにそうだね。人を襲わないという保証ができない。証明ができない。……ただ、人を襲うということもまた、証明ができない。
禰豆子が二年以上もの間人を喰わずにいるという事実があり、禰豆子のために三人の者の命が懸けられている。そして、……A」
『っ！ は、はい！』
突然お館様に名前を呼ばれ、私は声が裏返りそうになりながら返事をする。
白く濁った瞳は確かにこちらを向いており、私はぴんと背筋を伸ばした。
「Aは炭治郎と禰豆子をとても信頼しているようだね。二人と別行動になった後も、禰豆子が人を襲わないと信じ続けている。それは何故か、聞いてもいいかな？」
柱達の視線を横から感じながら、私は少し考えた後、ゆっくりと質問に答える。
『……私と炭治郎は、鬼殺隊の任務が始まって別れた日からずっと文通を続けてきました。炭治郎からの手紙には、禰豆子ちゃんが人を守るために鬼と戦ったことが記されていました。
手紙なので確かな証拠はありませんが、二人が鬼を倒して任務を遂行したということは、二人に救われた人が存在することと同意。二人に救われた命が、今も何処かで息をしている。
そう考え、私は今でも二人を信じています』
私がそう言うと、お館様は小さく頷く。
「ありがとう。
これまで、炭治郎が任務を遂行できなかったという報告は受けていない。それはつまり、Aが言うように炭治郎と禰豆子によって救われた命があるかもしれないということ。
これらを全て否定するためには、否定する側もそれ以上のものを差し出さなければならない」
「く……っ！」
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紅いちご - 続編ですか！！楽しみに待ってますね！ (2021年11月6日 22時) (
レス) @page41 id: 0ffbfabdee (このIDを非表示/違反報告)
むつき。(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも頑張ってください(๑•̀ㅂ•́)و✧ (2021年11月6日 5時) (レス) @page41 id: 6b2570d7e2 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉いろは(プロフ) - むつき。さん» コメントありがとうございます！ 本編でもこの二人の関係性はしんどいので、今後どう夢主ちゃんと絡ませていこうか悩んでいます(苦笑)無限列車が近づいてきて精神が削られていますが、更新頑張っていこうと思います！ (2021年11月4日 22時) (レス) id: cba06c9064 (このIDを非表示/違反報告)
むつき。(プロフ) - 冨岡さんと錆兎さんのシーンにめちゃめちゃぐっと来ました（語彙力）更新頑張ってください！ (2021年11月3日 18時) (レス) @page38 id: da60582d52 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉いろは(プロフ) - 匿名希望さん» ご指摘ありがとうございます！ 本当ですね！ 全然気がつきませんでした……ありがとうございます！ (2021年10月22日 22時) (レス) @page29 id: cba06c9064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉いろは | 作成日時：2021年9月22日 15時
