よほど鬼に ページ26
「俺の妹を傷つける奴は、柱だろうが何だろうが許さない！！」
「ハハハハッ！ そうかいよかったなァ！」
炭治郎は雄叫びを上げながら、傷だらけの人に突進していく。
傷だらけの人は目を見開いた後、日輪刀の軌道を変えて＿＿
『＿＿っ！』
時間が、とても遅くなった気がした。
素早く息を吸い込んで肺を膨らませた私は、駆けていく炭治郎の横を追い越す。
そして、傷だらけの人の刀を、素手で握り締めた。
峰の方から包み込むように握るが、当然指先には鋭い痛みが走る。
「てめぇ……っ！」
「うおおおおおっ！！」
傷だらけの人の意識がこちらを向いた一瞬、炭治郎は彼の頭に頭突きを食らわせた。
刀と箱を手放し、地面に伏せる傷だらけの人。
素早く立ち上がり、箱の前に駆け寄る炭治郎。
素手で日輪刀の刃を握り、傷だらけの人を見下ろす私。
大勢の人がいるはずの庭は静まり返り、誰も彼もが唖然とその光景に目を取られていた。
『＿＿今、何をしようとしました？』
傷だらけの人は、もう日輪刀から手を離している。
刃を握る手に力を込める必要なんてないのに、私は無意識に手に力を入れていた。
それが原因で、ボタボタと血が庭の砂利を赤く染めていく。
「っ！ A、血が……！」
「てめぇ……」
『貴方は今、炭治郎に向けて刀を振るおうとした。鬼ではない“人間”を殺そうとした……っ』
怒りで、声が震える。
私は傷だらけの人を含む柱達を睨み付けながら、込み上げる感情のままに叫んだ。
『百歩譲って、禰豆子ちゃんを刺したことに対してはまだ納得ができます。酷く横暴だとは思いますが、ここにいる柱の方々もまだ禰豆子ちゃんを信じられていない人が殆どでしょうし……。
だけどっ、炭治郎に刀を向けたのは何故ですか？
話を聞くと言って、私達の話に耳を傾けようとしないのは何故ですか？
抵抗の意思がない炭治郎を、有無を言わさずに拘束したのは何故ですか？
鬼を滅するという正義を掲げた裏では、武力で他者の意見を捩じ伏せる、
自分の正義にそぐわない者は、人間であろうと簡単に切り捨てる……っ！
これが鬼殺隊のやり方ですかっ！？
私から見たら、貴方達の方がよっぽど鬼に見えますっ！！』
「……」
「Aちゃん……」
浅葱色の瞳の少年は目を細め、甘露寺さんは眉を下げてこちらを見つめる。
炭治郎は唇を噛み締め、傷だらけの人は苛立たしげに舌打ちをした。
「蛍原少女」
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紅いちご - 続編ですか！！楽しみに待ってますね！ (2021年11月6日 22時) (
レス) @page41 id: 0ffbfabdee (このIDを非表示/違反報告)
むつき。(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも頑張ってください(๑•̀ㅂ•́)و✧ (2021年11月6日 5時) (レス) @page41 id: 6b2570d7e2 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉いろは(プロフ) - むつき。さん» コメントありがとうございます！ 本編でもこの二人の関係性はしんどいので、今後どう夢主ちゃんと絡ませていこうか悩んでいます(苦笑)無限列車が近づいてきて精神が削られていますが、更新頑張っていこうと思います！ (2021年11月4日 22時) (レス) id: cba06c9064 (このIDを非表示/違反報告)
むつき。(プロフ) - 冨岡さんと錆兎さんのシーンにめちゃめちゃぐっと来ました（語彙力）更新頑張ってください！ (2021年11月3日 18時) (レス) @page38 id: da60582d52 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉いろは(プロフ) - 匿名希望さん» ご指摘ありがとうございます！ 本当ですね！ 全然気がつきませんでした……ありがとうございます！ (2021年10月22日 22時) (レス) @page29 id: cba06c9064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉いろは | 作成日時：2021年9月22日 15時
