鬼を連れた隊士 ページ20
翌朝。
前日に沙代との再会を果たした私は、いつもより気合いをいれて煉獄さんの元へ向かった。
『えっ、自主稽古ですか？』
「あぁ！ 早朝に急な召集がかかってな！ 急遽、柱合会議が開かれることになったそうだ！」
『柱合会議……何かあったんですか？』
鬼殺隊の中で最も位の高い九名の剣士たち、通称柱。
彼らが集まる柱合会議は、通常であれば半年に一度の頻度で開かれる。
それが急遽開催されるということは、何か重大な問題でも起こったのだろうか？
「なんでも、鬼殺隊の中に鬼をつれた隊士が交ざり込んでいたらしい！ 現時点ではその鬼による被害はないそうだが、これは明らかな隊律違反だ！」
『へぇ、鬼をつれた隊士が……えっ』
待って、凄く心当たりがある。
私が詳細を聞こうとすると、煉獄さんの鎹鴉がバサバサと私達の上を羽ばたいていく。
「うむ、そろそろ時間のようだ！ すまないが蛍原少女、今日は君の稽古につき合えそうにない！」
『ま、待ってください師匠！』
「では、行ってくる！」
瞬く間に私の前にいた煉獄さんの姿が消え、足音が遠ざかっていく。
私は玄関の方を見ながら、片手で頭を抱えた。
……どうしよう。
炭治郎が鬼をつれていることが、柱の人達にバレた？
いや、特に隠そうとしている様子はなかったけれど……。
鬼を殺すための鬼殺隊に鬼を庇う隊士がいるのは、確かに矛盾している。
炭治郎、禰豆子ちゃん……。
『……行かなくちゃ』
柱が集まる柱合会議に向かう、柱の前で炭治郎の肩を持つ。
それがどんなに危険で無謀な行為か、わからないわけではない。
でも、二人を放っておけない。
禰豆子ちゃんと過ごしたのはごく僅かな期間ではあるが、それでも禰豆子ちゃんが人を襲わないという証言はできる。
それに煉獄さんの様子を見る限り、鬼に対して当たりが強い柱は多いだろう。
このままでは二人がどんな目に遭うか、わかったものではない。
私は玄関に向かい、目を凝らして砂粒のような金髪を捉える。
次に大きく深呼吸をして、煉獄さんに教わったことを順に思い出していく。
＿＿俺に追いつくこともできないようでは、君を認めるのは大分先になりそうだな！
『……大丈夫。これは師匠に認めて貰うための、ただの稽古の延長に過ぎない。稽古をサボるわけでも、後ろめたいことをしているわけでもないんだからっ！』
自分にそう言い聞かせながら、私は以前よりも格段に速くなった足で煉獄さんの後を追いかけた。
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紅いちご - 続編ですか！！楽しみに待ってますね！ (2021年11月6日 22時) (
レス) @page41 id: 0ffbfabdee (このIDを非表示/違反報告)
むつき。(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも頑張ってください(๑•̀ㅂ•́)و✧ (2021年11月6日 5時) (レス) @page41 id: 6b2570d7e2 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉いろは(プロフ) - むつき。さん» コメントありがとうございます！ 本編でもこの二人の関係性はしんどいので、今後どう夢主ちゃんと絡ませていこうか悩んでいます(苦笑)無限列車が近づいてきて精神が削られていますが、更新頑張っていこうと思います！ (2021年11月4日 22時) (レス) id: cba06c9064 (このIDを非表示/違反報告)
むつき。(プロフ) - 冨岡さんと錆兎さんのシーンにめちゃめちゃぐっと来ました（語彙力）更新頑張ってください！ (2021年11月3日 18時) (レス) @page38 id: da60582d52 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉いろは(プロフ) - 匿名希望さん» ご指摘ありがとうございます！ 本当ですね！ 全然気がつきませんでした……ありがとうございます！ (2021年10月22日 22時) (レス) @page29 id: cba06c9064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉いろは | 作成日時：2021年9月22日 15時
