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『………は?』
腹の底から出たそんな音に自分でもびっくりする。
話の前半はその通りだが、後半。次は俺って、なんでまた…
エース「だってよ、お前強いし。海軍本部内での評判も良さそうだし、お前が大将になったらなんか変わんじゃねぇか?もしそうなったら…」
『ば、ばかなのエース!!!!??俺なんかよりもっと相応しい人が居るんだよ!!!!今有力候補なのはギオンさんとトキカケさん…!!!他にも中将には優秀な先輩方ばかりで…!!!』
エース「わかった!わかったから落ち着け!!!!な?」
そう言うエースにハッとして謝る。
…つい困惑してしまい、饒舌になってしまったようだ。だって、俺が大将なんて、なれる訳……
『…そもそも俺は非加盟国の出だから、政府に更に近くなる大将には選ばれないッスよ。それに俺はその話が来ても蹴るッスよ。天竜人の為に仕事したくないッスら。』
エースはそうなのか。と納得したように皿を片付ける。
エース「そういや、ジジイもそんなこと言ってたなあ。」
なんてエースの昔話に耳を傾ける。
…話は昔のルフィとの出会いから冒険から成長まで。
『…それで、ルフィとそのもう1人の兄弟とはー…って、寝てる…』
話の途中で寝落ちるなんて器用だな。なんて思いつつそっとエースを抱き上げ、部屋まで運ぶ。
しっかりと布団をかけて、エースの寝顔を眺める。
…これから、忙しくなるな。こんな生活がいつまで続くとも分からない。
俺は、俺の周りの人が幸せならそれでいい。
…皆がみんな、幸せならいいのに。
甘ったれた考えをため息で流し込む。
さて、明日から忙しくなるぞA。がんばらないと。
エース「んが……………あれ、俺ベッドで寝てたか…?
…手紙、Aからか。」
丁寧な字で綴られた内容は「暫く忙しくなる、顔出せないかも。」という内容で、この船内に居るのは俺とアイツのふたりなのに、ご丁寧にイニシャルまで書いてあることに少し笑ってしまう。
机の引き出しにメモを放り込んで、朝飯を求めてキッチンへ向かう。
するとテーブルの上には料理が置いてある。きっとAが作っていったんだろう。
…用意周到だ。なんて思いつつ食事に手をつけた。
少し冷めた食事が、なんだか寂しく感じる。
……あーあ、早くA帰ってこねぇかな。
置き手紙に顔を出せないと書いていたのに、俺はそんなことを考え始めてしまった。
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作者名:みるつき | 作成日時:2022年9月27日 7時