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3人で覇気についてをガープに教えこまれたりと、いつもと違う訓練にコビーはソワソワしていた。
…訓練が終わり、自由にしていい時間となる。
すると、少年はコビー達に一直線に歩いてくる。
コビー「な、な、なんですかッ!?」
そう言って後ずさり、尻もちを着くコビーに、驚いた顔をして駆け寄り、手を差し伸べるAに、コビーは小さくお礼を述べて手を取った。
いつもなら頭一つ分も違う身長が、今日ばかりは逆に頭一つ分下にある、己が恩師の1人。
そして憧れの存在。
だが、今日ばかりは小さく、いたいけな少年に、コビーはよく分からない感情が刺激され、少年を前にモジモジとしてしまう。
『…えと、コビーくん?』
ずっと握ったままだった手に、少年は疑問を持ちそう声を発する。
ハッとしたコビーは、「す、すみません!」と慌ただしく手を離す。
後ずさるコビーに距離を詰めるA。コビーの頭の中は疑問符でいっぱいだった。
『…はい!』
目の前に差し出されるのは絆創膏。
『ヘルメッポ君も!』
笑顔で必要な分だけ渡してくるAに、コビーは感極まって泣きそうになる。
…どうしてこうも純粋な少年が存在するのか。可愛い…
どれも決して言葉にできない感情達だった。
『頑張って、立派な海兵になってね!』
そう言ってふわりと立ち上がり、訓練所の扉を開き、少し顔を出して手を振る。
手を振り返せば、満足そうに笑って少年は立ち去った。
クザン「はい、Aちゃんお小遣い。」
『…はい?なんなんスか、クザンの兄貴…』
クザン「あらら?おにいさんとはもう呼んでくれないのか〜」
頭をそう搔くクザンの兄貴に首を傾げる。
封筒に入った分厚いお小遣いと称されたそれを手渡される。
…何ヶ月分の給料だ?
『受け取れないッスよ…なんなんスか…今日色んな人から色んなもの貰ってるッスよ。』
そう、昨日何があったのか、今日になって大量の贈り物を貰った。
ボルサリーノ伯父貴からは色々なお菓子だったり、ガープ先生やおつるさん、センゴクさんからはせんべいやおかきなんかを。更にはサカズキ伯父貴からも今度食事に行こうとの誘いを頂いた。
…一体俺は昨日何をしていたんだろう。
クザン「…まぁ、いいからさ。これ受け取れないならこれからお茶でもどう?」
『…そのくらいなら。』
そう言ってデスクから立ち上がり、クザンの兄貴の隣を歩く。
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作者名:みるつき | 作成日時:2022年9月27日 7時