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温もり ページ26

しばらくの間、休養という名の休みを頂いたので、船へと早速戻る。
扉を開いて中へ入れば、エースがお出迎えしてくれ、ぎゅっと抱きしめる。

『…エース。』

エース「お、おう?俺だが?」

『……本当にいる、良かった…。暖かい…エースの体温だ…』

躊躇なく力を入れてぎゅっと抱きしめる。そして温もりに縋るように擦り寄る。
…1度死に目を見た時、結構ショックだったのだ。
ただでさえ人が死ぬという事実に心を痛めるのに、気を許した友であれば尚のことである。

『そういえば能力は使えた?服は…うん、似合ってる。俺のお下がりでごめんね?』

エース「あぁ…これ、お前の服だったんだな。こっちこそ悪ぃ。
能力は使えた。1度俺は死んだことになっているし、実の方はちゃんとまた出てるのか…」

瞬間的に再びこの世界のどこかに現れるのだとしたら、存在していてもおかしくないが、正直な所、そのシステムついては理解が及んでいないため、分からない。しかし、見つからなければ見つからないでいい。見つかったならそれ以上都合のいいことは無いが。

エース「…おいA、その…いつまでこうして抱き合ってるんだ?」

『…あ、ごめん。つい安心しちゃって。』

そう言ってエースから離れる。
エースは俺の体をつま先から頭の先まで眺めたところで、1つ1つ疑問をなげかける。

エース「…その首輪?はなんなんだ?」

『あぁ、そう。これは爆弾。俺の生まれの国の人間…それも所謂幹部レベルとなると、信用が落ちるからね。命を握っておけば何かあった時にも安心ってことだろうね。
…位置を知らせるものとか、盗聴用のものとかはついてないのは確認済みだよ。』

見聞色の覇気をこのために使うのは多少違和感がありつつも成功したので、こうして安心して過ごせるのだ。
…1つ気がかりがあるとすれば

『ただ…もし何かがあってこの船に居る時や君の近くにいる時に起爆されたら……

…その時はごめんだけど、一緒に死んでもらうことになるかも。』

エースはそこまで聞いたところで、フンと鼻を鳴らして笑う。

エース「お前に救ってもらった命だ。これから俺はお前のために生きるし、お前のために死にたい。
だからよ、気にすんな。お前が死ぬなら俺も死ぬ。それくらいの覚悟はできてらぁ。」

『……うん、ありがとう。

…少し船を移動させて買い物に行こう。』

そう言って操縦席に座る。
エースはやっぱ男気があるなぁ。

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作者名:みるつき | 作成日時:2022年9月27日 7時

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