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大将青キジと黄猿の猛攻をあの潜水艦が掻い潜ったかは不明だが…まだルフィ達の気は絶えていないことから、生きているんだろう。ということだけは感じ取れた。
追いかけてゆくあの軍艦は…ハンコックさんだな。
無理を効かせてルフィを追いすがっているのだろう。
シャンクス「これ以上欲しても、両軍被害は無益に拡大する一方だ。まだ暴れ足りない奴がいるのなら……来い、俺たちが相手をしてやる。」
その声だけで、海兵たちは怯む。
…赤髪海賊団相手にこのボロボロの海軍では勝てる見込みはない。黒ひげも、今は戦う気はないようで、大人しく手を引いた。
シャンクス「全員、この場は俺の顔を立ててもらおう。」
…その言葉で、この戦いは止んだ。
海賊たちはただただ、涙を流していた。
自らの胸の中で気を失うコビーを抱き抱えて、ヘルメッポ君に引き渡す。
『……コビー君が目覚めたら、ごめんねって言っておいて…それから君も…君たちは、ちゃんと勇気ある海兵だよ…』
ヘルメッポ君の困惑する声を置いて、広場の方へ歩く。
シャンクス「白ひげ、エース。2人の弔いは俺たちに任せてもらう。戦いの映像は世に発信されていたんだ。これ以上、そいつらの死を晒すような真似をさせない!」
ドーベルマン中将の声に同調する声が上がるが、センゴク元帥の構わん。という声に、驚きの声が上がる。
センゴク「戦争は、終わりだ!!!」
この戦場からこれ以上の死者を出すまいと救護に手を回す。
これで、終わったのだ。この、大きな戦いは。
…しかし、これで均衡は完全に崩れ去ったのだろう。
これからの新時代の幕開けに、不安が募る。
「パシヴァール中将!お怪我はございませんか!」
『…大した怪我はない。気にするな、ほぼ返り血だ。』
そう返せば少し顔色を悪くした海兵が戻ってゆく。
視線を感じて何かとみてみれば、サカズキさんとボルサリーノさんがこちらを睨んだり見つめたりしている。
…それもそうか、俺は2人の前に立ちはだかったわけだし。
そう考えながら10年ぶりに見る赤髪に声をかける。
『…シャンクスさん。』
シャンクス「…おぉ、誰かと思えばAか!随分大きくなってなぁ!」
随分と大人の雰囲気を漂わせるようになったシャンクスさんも、昔と変わらないおちゃらけた様子で、なんだか少しほっとする。
『…後で伺います。』
そっと伝えれば、シャンクスさんは何も言わずに俺の目を真っ直ぐ捉え、何事も無かったかのように立ち去っていった。
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作者名:みるつき | 作成日時:2022年9月27日 7時