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そう言って赤犬はルフィを殺そうと拳を振るう。





…しかし、その拳が貫いたのはエースの胴体そのもので。

皆が皆、目を見開いてその現実を受け入れられないでいた。
…エースが血を吐く。胸に空いた穴はいくら自然系であろうと塞ぐことは不可能だと悟る。

次々と赤犬に向かって行く海賊たちだが…無謀と言えるだろう。

この猛攻で、自然系の能力者である赤犬が倒れるわけが無い。
体に大穴を開けても尚歩みを止めない赤犬に海賊たちは絶望の表情を浮かべていた。

サカズキ「まだ息はありそうじゃの、火拳のエース。」

そう言ってトドメを誘うとする赤犬に、ジンベイが止めにかかる。

ジンベイ「この身を削って時間稼ぎになるなら結構!元より命など、くれてやる腹じゃい!!」

赤犬の元に歩くガープ中将にセンゴク元帥が走りより、地面に押さえつける。

ガープ中将は赤犬を殺そうとしているのだ…

次々と海賊を狙う赤犬にマルコやビスタが止めにかかるも、無駄に終わる。
…エースはもう間に合わないだろう。

エースを助けてくれと叫ぶルフィの声。
駆けつける医者は謝罪の声だけを漏らすが、ルフィは納得いかずに叫ぶ。

エース「自分の、命の終わりくらいわかる…」

イワンコフに助けを求めるが、イワンコフの能力は誤魔化すだけであってこの傷を塞ぐものでは無い。無理だった。誰にもエースを救うことは出来ない。

「俺は、生まれてきて良かったのかな。」

そんな声が頭に響く。きっと、エースの心の声だろう。
世間の親への憎しみが、その一身に降り注ぐ。そんな幼少期が見える。

エース「俺は生きようとも思わなかった。サボの件と、お前見てぇな世話の焼ける弟が居なきゃな。

…そうだ、お前いつかダダンに会ったら、よろしく言っといてくれよ。なんだか死ぬと思ったら、あんな奴でも懐かしい。

…心残りがひとつある。お前の夢の果てを、見られねぇことだ。
だけど、お前なら必ずやれる。俺の弟だ。」

死ぬなよ!というルフィの声も聞かずそう続ける。

エース「あの日、誓い合った通り、俺の人生には、悔いはない。」

ルフィ「嘘だ!嘘つけ!」

エース「嘘じゃねぇ。俺が本当に欲しかったものはどうやら名声なんかじゃなかったんだ。俺は、生まれてきてもよかったのか。欲しかったのはその答えだった…」

〇→←頂上戦争:エース救出



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作者名:みるつき | 作成日時:2022年9月27日 7時

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