いくら美人でも怖くなっちゃうよね ページ7
夕食はエルのアイテムボックスから出したこの前の牛モンスターの肉。デザートには森で採ったリンゴのようなもの。ちなみに味もリンゴだった。朝食は魚。王都にいたときとあまり変わらない食事だ。自分たちが今魔王を討伐しに行くなど冗談のように見える。
しかし･･････やっぱり冗談じゃないんだよな〜これが！
｢我らが王を屠ると？愚か者めが！
｢皆来るよ、防衛魔法を！｣
｢王子！こちらに！｣
｢術式展開｣
｢A、傍を離れるなよ｣
蔦が地面からでて暴れる。防衛魔法でバリアを作っていなかったらペシャンコだっただろう。
目の前で怒っているのは、植物の魔族らしい。大きな赤い花の中心に立つ花魁のような姿。魔族はもっと禍々しいものを想像していたのだが、この魔物、美人なのである。目が真っ赤でなければもっとよかった。白目なんてない、全部赤色。いくら美人でも怖くなっちゃうよね。
蔦や草木を操って攻撃してくる。ここは森。つまりは花の魔物のテリトリーだ。
ファル曰く、あの花の魔物は魔王を敬愛していて強いため、魔王城へ向かってくる勇者を屠る役割を担っているらしい。
確かにかなり強い。きっと何人もの勇者たちが死んでいったのだろう。自然が味方している相手にどうやって勝てと言うのか。
だがこのままだと怪我を負うのは時間の問題だ。
｢フ、ファル･･･！あの白い火とかでやっつけられないの！？｣
｢あれはそう簡単に出せないんだ。特別だからな｣
それに、あいつは自分の立場をよく理解している。この前のバカと違ってな。
それは心に留めておこう。ファルは口元にほんの少し笑みを浮かべた。
この前はついあの雑魚にカッとなってしまいあの火を出してしまったが、もうあんなヘマはしない。察しの良い奴が多いのでちょっとの行動で自分の計画がバレてしまう。
それに、俺が居なくても今回は多分何とかなるだろうしな。
ファルはAに向かってくる蔦や枝だけを綺麗に燃やした。Aはただ守られ観戦している状態だ。
ふと、クルシュの後ろに蔦が迫っていることに気付いた。クルシュは前から向かってくる枝たちを風魔法で防いでいて気付いていない。
｢クルシュさん！！｣
｢待てA！｣
ファルの静止の声も聞かず、Aはクルシュに向かって走り出した。
間に合え！間に合え！！！考えろ、どうすればクルシュを守れる！？僕には何が出来る！？攻撃を逸らせ！
―――ふわりと風が吹き、髪を揺らした。
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埋夜冬(プロフ) - 千々さん» 最後までお読み下さりありがとうございます！！！もう本当にありがとうございます！超絶励みになってました！(語彙力) 主人公くんに万が一飽きると魔王様が攫う気満々ですが、その前にエル様がガードしにきます。玩具を取られたくないからね！！ガードが多いね主人公！ (2021年3月13日 11時) (
レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 完結おめでとうございます！ とても面白かったです！ やっぱりファルの主人公に対する執着がいいなあと思いました。そしてファルが主人公に飽きる日は来ないらしいですが、もしそんなことになったら私が主人公を守りにいきます(( 本当にお疲れさまでした！ (2021年3月13日 11時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 千々さん» ありがとうございます！！作者は更新時間まばらですが、これからも精一杯頑張らせていただきます！今後もよろしくお願いします！ (2020年8月26日 12時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 続編おめでとうございます！ とても楽しくお話を読ませていただいています！ 楽しいお話の中にちりばめられた謎がとても気になって……！ これからも読ませていただきます！ 続きを楽しみにしていますね！ (2020年8月26日 8時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ふわふわありすさん» ありがとうございます！予定では続編でちゃんと終われるはず！頑張りますのでお楽しみに！コメントありがとうございます！ (2020年8月26日 5時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2020年8月25日 23時
