悪喰の剣 ページ39
サラマンダーが出した火の玉はノヴァーレへ向かっていく。当然、ノヴァーレは避けるために跳躍した。だが。
「!?」
一直線に向かってきていた火の玉。軌道は逸れず地面へ当たるはずだった。しかし火の玉はノヴァーレへ方向を変えた。
Aのスキルであると知らないノヴァーレは困惑する。どうしたらいいかと策を練る。
「斬るしかないね」
剣に触れる。そして詠唱。
「―牙を見せるは己の魔法 死をもって表すは自身の力 ・・・・・・さぁ喰らいつくせ、
黒く光り出した剣。ノヴァーレはその剣で火の玉を斬った。そして剣は火の玉を吸収した。
悪喰の剣。名の通り。魔法を喰ってしまう剣だ。吸収した力は剣を振るうことによって放出される。これを使うにはノヴァーレ自身の魔力も多く喰らうので、何度も喰わせることが出来ないデメリットがあるが、威力はかなりのものだ。
「さあ精霊よ、自身の力を受け取るがいい」
ノヴァーレはサラマンダーの方へ走る。
同時にAはノームの盾を解除した。目の前に映る、黒く光る剣と狙われているサラマンダー。斬られる!!
「サラマンダー、僕のところへ!!」
ふわりと風。スキルの証。サラマンダーはAの肩に移動し、ノヴァーレの剣は空を斬った。
しかし、振るったのはサラマンダーの力を吸収した剣。その力は空を斬っただけでは収まらないのだ。
「あ"――――――――――!!!!!!!!」
力はそのまま余韻の爆風となり、Aの左肩を斬りつけた。
それだけでは終わらない。ノヴァーレは指を鳴らした。爆発したのはAの足元。足が飛ぶ事は無いが、きた衝撃は凄まじい。立っていられずAは地面に倒れた。
パチン。爆発は背中がある地面。パチン。爆発は傷を受けた左肩。パチン。パチン。爆発はAの目の前の空間。爆風で体が押される。
「はは、あはは・・・・・・!!」
ノヴァーレは体が動かなくなり血まみれのAを見て笑った。手こずらせやがって。こんなガキ1人に、僕が悪喰の剣を出すまでやったんだ。もっと斬ってやる!そうして城に持ち帰って
精霊達が上で慌てている。だがコイツらはもう放っておいても大丈夫だ。
精霊は、名前を呼ばれないと力を使うことが出来ない。Aはそれを知らないし、もう名前を呼ぶことは出来ないのだから。
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埋夜冬(プロフ) - 千々さん» 最後までお読み下さりありがとうございます!!!もう本当にありがとうございます!超絶励みになってました!(語彙力) 主人公くんに万が一飽きると魔王様が攫う気満々ですが、その前にエル様がガードしにきます。玩具を取られたくないからね!!ガードが多いね主人公! (2021年3月13日 11時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 完結おめでとうございます! とても面白かったです! やっぱりファルの主人公に対する執着がいいなあと思いました。そしてファルが主人公に飽きる日は来ないらしいですが、もしそんなことになったら私が主人公を守りにいきます(( 本当にお疲れさまでした! (2021年3月13日 11時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 千々さん» ありがとうございます!!作者は更新時間まばらですが、これからも精一杯頑張らせていただきます!今後もよろしくお願いします! (2020年8月26日 12時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 続編おめでとうございます! とても楽しくお話を読ませていただいています! 楽しいお話の中にちりばめられた謎がとても気になって……! これからも読ませていただきます! 続きを楽しみにしていますね! (2020年8月26日 8時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ふわふわありすさん» ありがとうございます!予定では続編でちゃんと終われるはず!頑張りますのでお楽しみに!コメントありがとうございます! (2020年8月26日 5時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2020年8月25日 23時