44冊目 ページ4
カフェから帰ったAは何だかぐったりしているように見えた。
愛川は帰ってきたAを使っていない会議室に呼び、緑茶を出す。どうやら嘉川はいないようだが帰ったのだろうか。
「嘉川先生から、『愛川さん、今後もよろしくね』と伝言を預かりました。今日はもう帰るってカフェの代金全部払って帰っていきました。すごい、最後まで全部かっこよかったです……」
「その割には疲れているようだけど」
苦笑いで返すと、両手で顔を覆った。
「大人気の有名作家さんと会ってすぐ二人きりで話し合いなんて、俺にはハードル高すぎますよ……！終始緊張しすぎてどうにかなるかと思いました」
ああ、これは九条先生に何て説明しよう……。
愛川は心のなかでため息を吐いた。
まるでハーレムの恋愛小説でも見ているかのような展開だ。湊はAを譲る気はないし、聞くところによると凛音もAが大好きなようだし、さらに嘉川までAを編集者にしたいと言っている。
きっと渦中のAはそんなことになっていると思いもしていないだろう。
まあ、それはそれでこの四角関係を実録で湊が小説にすればいいのに。なんて思うのは編集長として仕事中毒だろうか。
「どんな話をしたんだい？」
「湊先生のことです」
九条先生のこと？と愛川が首をかしげる。
「メディアに出ないからどんな人か気になるとか、最近描写が変わったよねとか、湊先生の色んなことに気付いていたらしくて湊先生のことを話してきました」
敵の情報収集か。どんな人かと問われたら真っ先に、自立できてない残念イケメン、と答えたくなる。湊は生活能力が全くない。
最近の描写については愛川も覚えがある。恐らく付き合ってからの展開のことだ。Aと会ってから湊はしっかりとAの存在を作品に生かしている。
「有意義な話の時間だったかい？」
そう聞くと、Aはブワッと顔を赤くした。
おや？これはこれは……？嘉川先生に何か言われたのか？
「あ、いやあの……！嘉川先生ではなくて！」
「じゃあ九条先生のことかな？」
うっ、と声を詰まらせたことから正解だろう。
一体何を言ったのか気になるところだが、多分答えてくれない。運が良かったら嘉川に聞けるかもしれないな。
「まあ、そんなことはいいさ。さ、仕事を早く終わらせよう。疲れは取れたかな？」
「はい、ありがとうございます」
愛川は思う。
ぶっちゃけハーレム展開なのだからこのまま経過観察しても面白いんじゃないかと。
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埋夜冬(プロフ) - 白澤 晴夜さん» ありがとうございます！返信遅れてごめんなさい！キュンキュン出来ていたなら良かったです(*´ω｀*) (2019年12月14日 13時) (
レス) id: 87a5a46f37 (このIDを非表示/違反報告)
白澤 晴夜(プロフ) - 完結おめでとうございます！！もう最後までキュンキュンしながら読ませて頂きました〜！！この2人には、これからも永遠に幸せでいて欲しいです！！これからも頑張ってください！応援してます！ (2019年12月13日 22時) (レス) id: 5742d2c832 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ゼロさん» 返信遅くなりすみません！ドキドキしていただけたなら作者も満足です！次回作もよろしくお願いします！ (2019年12月7日 10時) (レス) id: b51b60f8c3 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 唳桜さん» 返信遅くなりすみません！可愛く書けていたなら良かったです！次回作も作ったのでぜひ読んでみてくださいね！この作品を読んでいただきありがとうございました！ (2019年12月7日 10時) (レス) id: b51b60f8c3 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - とても面白かったです。僕自身とても好きなジャンルで読んでてとてもドキドキしました！完結おめでとうございます。これからも応援しています。頑張って下さい(^▽^)/ (2019年12月1日 11時) (レス) id: aaae856515 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2019年8月10日 22時
