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第5.35話 疲れてしまった…… ページ36

「悠久の玉の力により、妖界と人間界の境界が不安定な状態に
なっているんだ。あの空の裂け目から、邪悪な心を持った
妖怪達が出てきてしまうかもしれないんだぜ」

「私ともっけは、ほら、こうして妖力を飛ばせるくらいに
回復したから、大丈夫。だから、本来の目的を思い出して」


再び聞こえたスネリの声に、
私は、光る矢をそっと手に取り2人を見た。

スネリともっけは並んで、私に微笑んでいた。


「っ……でも、もう……私も……疲れてしまったの」

「A、レンスイ様は最後にね、こう仰ったのよ。
タイとこの世界を救えるのは、Aだって」


私は都和子先生の事を思い出し、震える唇を噛みしめると、
悠久の玉に触れている手のひらを、更に強く押し付けた。

タイ兄も光る矢を見て、悠久の玉から手を離した。


『邪魔が入ったな』


そう言い、右手のひらに呪符を書き
左手を天に掲げると、唱える。


『我はこれ、天帝の使者なり。この刀は凡常の刀にあらず、
百錬の鋼なり。この刀一たび降さば、なん鬼か走らざらん』


すると、稲光が天を裂いて、タイ兄の頭上に落ちてきた。


ダーン!


耳を劈く音と共に、タイ兄の左手には、
黄金色に輝く剣が握りしめられていた。

その剣が下ろされる瞬間、私も悠久の玉から離れ、飛び退いた。
しかし、一瞬遅く、足首にあたった。


「つっ!」


飛び乗った岩の上で、私は倒れた。
ペンダントを握ると、必死で唱える。


「天の父と母よ、我が身を護り来たり、
百鬼をして、我を中傷せしむる事なし。急急如律令」


ペンダントがきらめいて、その光りの切っ先が剣を跳ね返した。
しかし、タイ兄は尚も剣を拾い上げると、私に向かってきた。


シュッ!


するどい刃が、逃げる私の左腕に当たった。
私は左腕を抑えるが、痛みに目が眩む。

第5.36話 信じたい→←第5.34話 世界が震え、2つにわかれる?


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作者名:フェイル | 作成日時:2010年12月8日 21時

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